闇寿司ファイルNo.625 Re "俺"
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概論

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最近の私1

数多存在する寿司の種類に於いて"俺"とは、スシブレーダー本人を指し、スシブレーダー自らが対戦相手の寿司と直接対決する際に用いられる語である。スシブレーダー自身を寿司として回転させる戦法はピザカッターのデイビットが提唱したものであり、闇寿司ファイルNo.625にて発表/共有された戦法だ。当該闇寿司ファイルはこの戦法を実践、或いは再研究したものであり、闇寿司ファイルNo.625 Reとして記録される。この闇寿司ファイルに於いて"俺"とは、当該ファイル制作者の"御蓮寺 恋治"を指す語であるため、デイビットの闇寿司ファイルが既読の場合においては、混同されないようご注意いただきたい。

私が"俺"の研究を決意したのは、PlayStation用ゲームソフト『ラーメン橋』をプレイした際のことだ。ラーメン橋は1997年にトミー社から発売されたシュミレーションゲームであり、プレイヤーは戦後シベリアから帰還した主人公『寿 秀蔵』を操り、1950年代から1990年代までを寿司屋ラーメン屋として過ごしながら舞台である泪橋横丁2で発生するトラブルを解決していく。戦後激動する時代の流れが綺麗に表現されており、秀蔵の老化は勿論、泪橋横丁の住人達或いは横丁そのものの変化にはノスタルジィがある。現在では使用が禁止されている調味料が時代によっては使用可能であったり、寿司ラーメンをゆでる際に秀蔵が歌う鼻唄が「人生劇場3」「恋のバカンス4」「木綿のハンカチーフ5」「ルビィの指環6」「これが私の生きる道7」と変遷していくのも憎い演出だ。時代の流れがあるから職人人生にも重みを感じる、そんなゲームだ。

さて、そんな良レトロゲーであるラーメン橋だが、マルチエンディングシステムを採用しており、ゲーム中での選択や行動によって秀蔵の最期が変わる。そしてそのエンディング群の中に『人生を寿司ラーメンに捧げた秀蔵本人こそが最高の寿司ラーメンの素材に違いない』と思い立った秀蔵が寸胴に自ら飛び込むというエンディングが存在する。この時点で秀蔵は完全に耄碌しており、視界が緑掛かって見える他、既に他界している泪橋横丁の住人と会話できてしまうなど、秀蔵が既に正気ではない描写がなされている。

求道の結果、狂気に堕ちた職人の末路を描くエンディングだが、私はこの姿勢にこそ答えがあるように感じた。私も寿司の求道者、究極の寿司をいつでも夢想している。闇ですら登れていない遥かなる高みがあるとしたら、誰も辿り着かない、否、辿り着くべきではない狂気の思考の中にこそ存在すると感じたのだ。最高を希求する私こそが最高の寿司である……、この思考に辿り着いた私は早速研究に取り掛かった。

スシブレード運用

DPS

VIT

INT

MND

DEX

PIE

現状、私が手掛ける"俺"の性能は戦えたものではない。そういう意味では未完成な状態での報告になることは予め了承いただきたい。狂気への挑戦ではあったが、狂っているだけではソコに辿り着くことは出来ないのだろう。まずは先人の研究成果を学び、見聞を深める必要があると感じた。早速デイビットの闇寿司ファイルを取り寄せ、研究の参考にすることにした。

デイビットのファイルを見た所感として、この戦法はデイビットのカービィみてぇな食欲、言うならば「異能」に大きく依存していると感じた。フードファイターとして著名なMAX鈴木氏によるラーメン大食い記録が35杯だが、デイビットのキャパシティはそれを大きく上回っている。この規模の大食いをしなければ「食すことで得ることが出来る寿司の能力」を得れないのだから現実的ではない。また、デイビットの戦術はこの部分だけ見ても十分狂気染みてると評価できるにも関わらず、デイビットのファイルではこの戦術が敗北した記録が残されていた。この程の狂気でもまだ足りない……、私の探求に暗い影が差してしまった。

次に私が目を付けたのは、デイビットのファイルにて言及されていた闇寿司ファイルNo.795-D "地球"だ。私が注目したのは、私と同じく暗黒卿の地位につくガ・ガが、LSD寿司を用いて自身を洗脳し、宇宙怪獣の食欲を得たという部分だ。正気を違法薬物に明け渡し、宇宙怪獣へと成り果てればデイビットを超える食欲が手に入る……かもしれない。で、あるならば、デイビットを超える境地に辿りつける可能性も0ではないだろう。

デイビットとガ・ガ、この両名からヒントを得た私は更なる研究を開始することを決意した。私はこの計画に「プロジェクト・アスタリスク」と名付ける。先人から得たヒントを繋ぎ合わせて、新しい領域に辿り着いてみせる。現状はおよそ実戦には堪えないが、更なる研究成果を得て、最高の寿司を報告/追記したいと思っている。もっとも、これから麻薬中毒者となる私にそれが出来ればだが……。

関連資料

闇寿司ファイルNo.625 "俺"
ピザカッターのデイビットによって作成された寿司ファイル。2022年度上半期新作新人部門の最優秀賞を受賞した名作寿司だ。デイビットは深手を負ってしまったが、ヤツなら復活すると信じている。

闇寿司ファイルNo.795-D "地球"
スシの暗黒卿ガ・ガの生前に作成された闇寿司ファイル。ガ・ガも狂気に魅入られ、自らの到達点を見つけ出した寿司職人だ。ガ・ガの考えは本当に間違っていたのだろうか? 定命を使い切り、それでも放浪と究明を続けた結果辿り着いた結末に、少なくともガ・ガ本人は後悔していなかった。

Qoo(クー)の公式ブランドサイト
私がアンパンマンリンゴジュース寿司を見出す研究の過程で爆飲みしていた飲料。ゼリータイプの存在から質量に優れ、衝突度の優位性からアンパンマンリンゴジュースと採用を争っていた。重量寿司の弱点であるコーナリングの立ち上がりを克服するため、ミスファイアリング・スシテムを導入する過程で採用を見送ったっていた。研究の過程で私は生涯分のQooを飲んでいたのだが、あれだけ飲んでそれといった能力に開眼しなかったのだから、能力を開眼するにはどれほど飲みまくればよいのか想像もつかない。

Amazon ラーメン橋販売ページ
プレミアが付いていてソコソコいい値段がするゲームだ。

MAX鈴木さんとの早食い対決!パート1
プロ格闘ゲーマーウメハラ率いる格闘ゲーマー軍団が、フードファイターMAX鈴木氏と様々な方法で対決するYouTubu番組。MAX鈴木氏の恐るべき食いっぷりを垣間見ることができる。MAX鈴木氏の超人っぷりをヒシヒシと感じるが、デイビットのそれには及ぼないのだから果てしない。

MAX鈴木さんとの早食い対決!パート2
上記の続き。パート1の時点で食いまくっていたMAX鈴木氏に対し、格闘ゲーマー5人がかりでラーメン早食い大食い対決に挑む。確かにMAX鈴木氏は凄いが、裏を返せば常人の限界はこの域に留まるということでもある。

あ-P-6833 "善悪の知恵の実"販売カタログ
日本生類創研が販売するリンゴ、摂取すると頭が良くなる……らしい。食べることで能力を得ることが出来る食料はこのリンゴ以外にも同研究所が発売しているロブスターなどがあり、手始めにリンゴを食べてみたがイマイチ効果を実感できなかった。そもそも、この方法で獲得できる異能は寿司との格闘にはほとんど役に立たない……。

文責: 御蓮寺 恋治



不滅なる寿司の選別・利用・維持および活性化のための委員会Sortation, Utilization, Maintaining and Energizing Committee of the Invincibles (SUME-CI)より
自動通達


現在、スシの暗黒卿 御蓮寺は、プロジェクト・アスタリスクを発表しておきながら、安否不明となっています。

御蓮寺の計画には一定の危険性が指摘されており、重大な問題を惹き起こしている可能性が指摘されています。
正式な情報が得られるまで、当該ファイルには閲覧制限が設けられます。





クター・トラヤー提言
※御蓮寺恋治の行方不明に関連してドクター・トラヤーから発表された提言。ドクター・トラヤーが意味の通った文書を発表するのは4年ぶりの事。
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2022 QU309

先日、NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が発見し、調査中となっていた未確認天体『2022 QU309』について新たな発表があった。この天体の発見は歴史的なものであり、天文学者やマニアの中には、太陽系外縁に存在すると言われている仮設上の天体『プラネット・ナイン』と当天体を同一視する声も多く、注目を集めていた。また、アングラな所では、オカルト愛好家の中にはゼカリア・シッチン氏が提唱した惑星ニビルとプラネット・ナインを同一視する一派も存在し、シュメール神話の神アヌンナキが齎す終末を信仰するドゥームズデー・カルトが勢力を増すなど、当惑星に関する情報が発する影響は多岐に渡る。

2022 QU309は太陽系の惑星群から大きく傾いた楕円軌道を約3,600年の周期で公転しているとされている。質量は20~25 Mで地球の約4~5倍の質量を持ち、密度に関しては地球の100倍近い数字を叩きだしている。現在、当天体は太陽系外縁から太陽の方向へ公転しており、今から30年後には北極圏付近から目視することが可能であると提唱されている。この規模の惑星がこれまで発見されていなかったという事実には一定の疑問符が付くが、発見自体は世紀の大発見と言えるだろう。

さて、ここまで我々に何の関係も無い話な訳だが、この天体には現在安否不明の御蓮寺 恋治が関与しており、NASAの発表には誤り/虚偽の内容が含まれていることを提言したい。まず、そもそもこの天体が現在までに発見されていなかったことが有り得ない。2009年打ち上げの広域赤外線観測衛星ワイズによって、太陽から26,000 AU以内には木星質量以上の質量を持つ天体は木星しか存在しないことが確認されており、10,000 AU以内にまで範囲を絞れば、土星質量(地球の95倍で2022 QU309と近い)以上の天体も発見されていない。参考までに書くと太陽から冥王星のまで距離が40 AUである。これほどの規模を2009年時点で人類は観測済であり、2022 QU309のような天体が隠れて存在していたというのは無理がある。

御蓮寺は行方不明による直前、秋田県の山奥に土地を購入していたことが、御蓮寺に私的な恨みを持つ暴力団関係者によって明らかにされている。暴力団関係者が御蓮寺を追って秋田県の山奥深くを探索したところ、地形図では山があるはずの場所に山は無く、その一帯が刳り貫かれたように陥没していたのを確認した。陥没した地形には御蓮寺のものと思われる歯形が発見されている他、採取された唾液らしき液体からは御蓮寺の遺伝子情報が含まれる粘膜細胞が確認されている。御蓮寺は報告書の末にて宣言していた通り、LSD寿司を利用し、自身の人格を宇宙怪獣に上書きしていた。かつてガ・ガがそうであったように、宇宙怪獣となった御蓮寺の食欲は地球に向けられたようだ。相当量の地球を摂取し、御蓮寺は地球の性質を得たと推認できる。

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外科的方法で地球の性質を転写した検体。外見に多少の変化は確認できたが天体への変容は確認できなかった。

地球の性質を得た御蓮寺は、何らかの方法で宇宙空間へ脱出したと思われるが、見た目が天体そのものになっているのは異常だ。寿司を食することで受ける影響はあくまで性質の獲得のみであり、この規模の変容を起こすような影響を受けることはない。天体の持つ引力は天体の質量に依存するため、摂食で得た性質では引力を得ることは出来ず、周辺の小惑星等と一体化した線は無い。2022 QU309の惑星表面の物質は分光観測によるスペクトルの分析によってある程度明らかになっており、2022 QU309の表面からは、一般的に天体を構成するであろう物質は確認されておらず、イブシニュチーク霊実体、所謂スシブレードにおける聖霊に似たスペクトルが検知されている。スシブレードの聖霊は、スシブレーダーと寿司が心を通わせることで顕現するが、寿司そのものがスシブレーダーであるため、LSDの服用によって心身喪失状態となっていても聖霊が顕現していると思われる。即ち、2022 QU309とは、NASAが言うような天体ではなく、地球寿司と化した御蓮寺から顕現している地球寿司の聖霊ということになる。

前述の通り、御蓮寺は既にLSDにより心神喪失状態となっており、人格が宇宙怪獣へと変容してしまっている。そこに意思と呼べるものが現存しているかは怪しく、思考に聖霊が深く介入していると推認される。宇宙怪獣の原始的な思考と、聖霊の得体の知れない思考がアセンブルすることで、御蓮寺本来の人格は失われていると思われる。この状態は極めて危険であり、周辺の天体にイタズラに接近/衝突する危険な天体として振舞う可能性が指摘されている。

闇寿司ファイルNo.625-D"御蓮寺 恋治"として2022 QU309を闇寿司ファイルに登録すること提案する他、御蓮寺 恋治の救出作戦を提案する。残念ながら当該案件はガ・ガの時と同じく、放置することは出来ない重大な事案になってしまっているが、当該案件には「LSDを利用した俺寿司の発展研究」「スシブレーダー本人の聖霊」「超大質量の聖霊の顕現」「長時間顕現し続ける聖霊」など回収したい情報を多く含んでいる。御蓮寺本人を救出すればこれら情報は完全な状態で回収可能である。

救出方法としては、何らかの方法で御蓮寺の元の意識を復活させることで思考のアセンブルを解き、聖霊の顕現を止める方法を推挙したい。聖霊は御蓮寺を包み込むように顕現しているため、顕現下では物理的に救出できない。御蓮寺の意識を復活させるには、御蓮寺の深層意識に届くように音声による呼びかけを行う他無い。意識不明の重体患者が回復後に、「耳元から呼びかける声が聞こえていた」と報告する例は多く、実際意識不明の状態でも脳幹は聞こえる音を処理していることが判明している。御蓮寺の意識を刺激するような音声を届けることは、御蓮寺救出に有効であると言える。

エルマ外教本国アトラルに有るエルメス天導台は、地球へ御蓮寺が衝突する未来を観測したため、ユニバース#58への渡航制限を発布した。エルメス天導台は、衝突までの時空連続体距離は23,111 txm程度であり、数か月から数年以内に衝突すると発表している。NASAが示した「30年後には目視できる」とは大きくかけ離れており、御蓮寺が何らかのプロセスで異常な加速を行う可能性が示唆されている。

既にGOCの百八評議会は、御蓮寺の破壊を採択しており、可決される見込みだ。私は財団がこの動きに反発することを予想し、財団に情報を横流しすることで扇動を行っている。JAGPATO経由で財団がGOCへコンタクトを取っており、扇動の効果はある程度出ている。GOCが御蓮寺を破壊、或いは財団による収容で行われることで我々が御蓮寺に干渉出来なくなるまで間が、我々に残されたタイムリミットである。

闇は無料期間に読んだワンピースで白髭がお気に入りの様子であり、「馬鹿な弟子をそれでも~」と救出に乗り気だ。ただし、救出作戦が音声による呼びかけであることには懐疑的であり、呼びかけ作戦が失敗した際は闇自身が対御蓮寺の寿司を握り、御蓮寺を撃破することを宣言している。これは実質的に介錯であり、撃破による救出には御蓮寺を殺害するリスクがあることは進言しておきたい。また、超大質量のイブシニュチーク霊実体を物理的に撃破した場合、イブシニュチーク霊実体は大爆発を起こし、光速域にまで加速させられた霊子が地球に降り注ぐ可能性が多くの漁師力学者から指摘されている。勿論人体には極めて有害であり、土壌汚染も深刻なものとなる。

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ここは暗く、寒い。広漠の漆黒にただ浮かんでいる……。

私は空間と調和した。私は何かを求めてここに至ったような気がするが、恐らくは些末な目的だったのだろう。

何かを求めて訪れるにしては、ここには無が満ちている……。重大な目的を抱くには不適切な場所だ。

……。




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地球。

この虚空に浮かぶ無貌の神。それは母と呼ぶべきか、姉と呼ぶべきか……。恋人とも呼べるかもしれない。

私は彼女と調和している。

彼女の一部を摂り入れた際に得た彼女の記憶が、私の中に入り込んでくる。

悠久を往く彼女だけが知り得る記憶……。







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かつての彼女だ。

産まれたばかり彼女は冷たき氷の星だった。

そこは命とは無縁の空虚な世界。無限のように長い時間と、無としか形容しようが無い空間。

彼女は孤独だったが、それを自覚することも無かったかもしれない。


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衝突は不運な事故だった。


産まれてどれほど経ったか、彼女は他の惑星と衝突した。

その惑星には命があった。彼女は死の化身として初めて命に触れた。

彼女は衝撃で現在の地点まで突き飛ばされ、太陽に出会った。陽光により氷は海に、飛び散った破片は月になった。


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彼女の子供たち。


彼女が得た海と月は、彼女に命を齎した。彼女は命を慈しみ喜んだが、すぐに嘆きに堕ちた。

彼女の子らは、他の命を奪わねば生きることが出来ない血に塗れた命だったのだ。

かつて衝突した星に住む命を奪った罰か呪いか。彼女は命に絶望したが、愛は捨てなかった。

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絶滅と進化。まるで死に意味があるとでも言いたげな。


彼女の子供たちは脆弱だった。様々な要因で子供たちは大量絶滅を繰り返した。

子供たちが死ぬ痛みに嘆く彼女は、かつては自分も絶滅の原因だったことを思い出し、ただ苦しむ。

彼女を慰めるように、絶滅を逃れた子供たちが命を新たな領域へと進化させる。そして産まれてしまう。星を制する怪物が。


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最高傑作。

人類は彼女の子供の中で、最も凶暴で、最も賢く、最も優れた種族だ。

この種族が傑出していたのは、知能と手先の器用さだ。道具と武器を編みだし、言語と嘘を操り、時には彼女たる地球を科学する。

人類は登場から程なくして食物連鎖の頂点に君臨した。彼女は人類を愛してはいたが、同時に恐れてもいた。


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その凶暴性に際限はない。


食物連鎖の頂点に立った人類は、同種内での闘争を始めた。

その賢すぎる知能を駆使し、より効率的に、より確実に、より低コストで、同種を殺害する方法を発見・実践していく。

その凶暴性は、時に彼女をも傷つけた。彼女から資源を搾り取り、出来上がった歪な汚染をぶちまける。人類は彼女にも干渉していった。


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最高傑作による最高傑作。


そして人類は成し遂げる。

かつて彼女の氷を溶かした陽光を地上に再現し、敵を土地ごと焼き払う最強の兵器を作り上げた。この兵器は2度使用され、併せて20万の敵性人類を一瞬で殺害した。

それでも人類は戦い足りない。ここまでやっても、やられても、まだまだ殺し足りない。その凶暴性に果ては無い。










……。

私は興味がある。彼女が今、何を考えているのか。

私は彼女の凄惨な記憶を見て、何を考えればいいのか分からない。

彼女と調和しているはずなのに、彼女と共有すべき感情を整理できない。

でも、永遠にも似た時間を過ごした彼女ならば、答えを既に持っているかもしれない。



……。


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さぁ、教えてくれ。永遠を周回する貴方は、今でも地球の命を愛しているのか?

貴方とはどんな感情を共有したら良い?

貴方は今、何を考えているのか教えてくれ。



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え? なんて? 声ちっさ。

もうちょっと近づくか……。



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いや、全然聞こえん。

もっと近づかないとダメだな。やれやれ。




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それは質問への返答ではなかった。まず真っ当な受け答えではないのだが

しかし、それは私が求めていたものへの答えだった。

どうしてだろう。なんで忘れていたんだ。

思考に張り付いていた何かが剝がれていく。

……。



そう。私はスシブレーダーだった。

私は狂気の末にある強さを求めて、こんな的外れな場所まで来てしまった。

……。

だが、収穫はあった。

こんな場所に「お客さん」が居て、自分は「最高の寿司」を見つけているじゃないか。



お客さん、お寿司をご所望ですかね?

お客さん運がいいなぁ。今日はね「最高の寿司」があるんですよ。

食いたきゃ食わせてやるよ! いくぞ!!!














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へ   






イ    






ッ     






ラ      






ッ      






シ      






ャ     






ア     






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