125m³
評価: +133+x

『清掃開始。担当職員は収容室内に進入せよ』スピーカーから陰気な声が響く。
 

……は常に5m×5m×5mの鋼鉄製の密封された独房に収容されています。

 
俺は両手に得物を提げて、今日も分厚い扉をくぐる。部屋の中には何もない。窓も、空調も、壁紙すらも。
 

……と机は、少なくとも5m×5m×5mの部屋の中央に置いてください。

 
かつてこの中には"ヤバいもの"がいたらしい。
 

……は5m×5m×5mのコンクリート製の部屋の中心に存在する台にて静止しています。

 
人を殺し、理屈を歪め、文明を滅ぼす脅威を封じていたのだ、と奴らは言う。
 

……は5m×5m×5mの部屋に保管するものとします。

 
でもそれは大昔の話だ。俺は真っ赤な洗浄剤を部屋中にぶち撒ける。
 

……を収容している部屋は5m×5m×5mで防音処理されています。

 
壁に洗浄機の水流を押し当て、床にデッキブラシを叩き付ける。跳ねた飛沫が服を染める。
 

……は5m×5m×5mの密封された部屋に保たれることになっています。

 
もし俺が怪物だったらここで暮らしたのだろうか。ここに囚われ、実験されて、どんな気分で過ごしたのだろうか?
 

……は厚肉鋼を網目状にした5×5×5mの鳥小屋に保管されることになっています。

 
『俺ハ怪物ダ!星ヲ喰ラウゾ!マズ貴様ラヲ滅茶苦茶ニ……エェ、俺ココニ住ムノ?』
 

……は不透明な金庫に収められ、5m×5m×5m房に厳重に封じ込め置かれています。

 
陳腐な空想に耽る間に、黒ずんだ血が全て排水口へ流れ去る。セルに清潔と静寂が戻る。
 

……は内側を耐酸性の板金で補強した5m×5m×5mの収容所に収容してください。

 
『清掃時間終了。担当職員は速やかに退出せよ』
 

……は5m×5m×5mの窓のない防音の収容室の中央に置かれています。

 
道具をバケツに放り込み、背を丸めて廊下へ戻る。
 

……は非合成ゴムの厚い層で内側が覆われた5m×5m×5mの収容房に保存されます。

  
汝、永遠に空室であれ。
 

                                                           

 
 

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。