生き物プロフィール: バルーン!

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生き物プロフィール: バルーン!

概要!

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名前: バルーン

種族: ニワトリ (Gallus gallus domesticus) 幼雛期の近縁種

主要世話役: セオドア

食事: 穀物

居住区: 小動物セクション、105番ケージ

生物の特徴!

ワイルドライフ・センターのアイドル、バルーンを紹介しよう!手乗りサイズの青い小鳥で皆からの愛され者だ!小さい足でパタパタと走り回る姿を一目見たらきっと君も心を撃ち抜かれてしまうだろうね。生体はヒヨコに似ているけど、この子は成長することもなく小さいままなんだ。

バルーンの特徴は2つある。1つ目はヒヨコなのに飛ぶことができる!いや、飛ぶというよりは宙に浮かぶ、といった方が正しいかな。プカプカと1 mくらいの高さに浮かび上がるんだ。まるで風船balloonのように。

2つ目の特徴は中々に奇妙だ。このバルーン、実は増えたり減ったりする。どういうことかって?言葉通りの意味さ。毎日深夜2時40分頃、1匹だったバルーンは分裂して2匹になったりもしくは突然消えて0匹になったりする。そのまま変わらず1匹だったりもする。まれに1匹から3匹に増えることもある。不思議だろう?

バルーンという名前は厳密には個体群に付けられてる名前なんだ。だからワイルドライフ・センターには何十匹ものバルーンがいる。DNAは全て同じでいわゆるクローンというやつだ。増えるときは魔法のように1匹の体から2匹目のバルーンがにゅっと現れる。減るときはパンとはじけて周りに体液が飛び散る。増えるか、減るか、それともそのままか、それぞれの割合は完全に等しくランダムというわけではなく、ある程度傾向があるらしいんだ。少なくとも寒い時期は少し数が増えにくいのは確からしいんだけど、色々な要因があるから一概には言えないみたいなんだ。難しいね。

経歴!

バルーンは昔からボーリングの山に生息してたらしいんだ。ただ見かけるとラッキー!くらいであまり数はいなかったみたい。十数年前に我々がようやく1匹捕まえてからは目撃情報がないんだ。もしかしたら最後の一匹だったのかもしれない。保護できたのは本当にラッキー!だったかもね。

特殊要件と居住空間!

バルーンの個体数は全体としては増えていく傾向にあるらしい。だからバルーンの数が50匹を超えたら間引くようにしてるんだ。悲しいけど、センターの敷地やエサ代にも限りがあるからね。センターがバルーンであふれかえったら他の子たちにも迷惑をかけてしまう。

バルーンが居住するケージは小動物にしては巨大な特注のケージなんだ!高さは2 mあって人がそのまま入ってお世話をできるよ。あまり低いケージだとバルーンがジャンプしたときに頭をぶつけてしまうからね。それにケージにはセンサーが付いていてバルーンの数を計測することができる。一応データとしては1時間に1度記録されるようになってるよ。特に大事なのはバルーンが増減した後の午前3時の計測!この時50匹を超えていたらケージ内にある高圧電流装置が作動してバルーンが間引かれる。自動なのは情が無いように思えるかもしれないけど、人力でやるには職員の精神的な負担が大きくなってしまうからそこは受け入れてほしい。

バルーンについての注意!

バルーンは毎日増える代わりに、とっても衝撃に弱い。小枝なんかが刺さったり強く叩かれたりするとすぐ死んでしまう、繊細な生き物なんだ。自然界で数が増えなかったのはおそらくこれが原因だろう。

あとはきちんと数を数えること!一度ケージに戻し損ねたバルーンが倉庫に潜んで増え続けたことがあったんだ。あのときはエサは食べつくされるわ倉庫中でかくれんぼが行われるわで大変だったよ。ちゃんと逃げ出したり持ち出された子がいないか確認しないとね。

バルーンの飼育日誌!

日付: 2022/9/7
今日の個体数: 44

今日からバルーンの担当になったセオドアだよ。僕は前からバルーンのお世話をしたいと思ってたからついに念願が叶ったんだ!今日から毎日日誌をつけてバルーンのかわいさをよりアピールしていこうと思う。よろしくね。


日付: 2022/9/8
今日の個体数: 45

2日目!今日は前任のアリシアに見守られながらのお世話だ。一応マニュアルもあるけど引継ぎはしっかり行われないといけないからね。それにしてもエサを用意したときのなんとかわいいこと!トコトコ駆け寄ってくる姿が見られるだけでこの仕事についてよかったと思うよ。


日付: 2022/9/9
今日の個体数: 75→50

3日目。今日はバルーンが30匹も増えていたらしい!だから50匹を超えた分は装置が動いて間引かれていたよ。ケージに残るバルーンの赤い血の跡は少し生々しかったけど、慣れていかなければいけないよね。アリシアが奢ってくれたコーヒーはいつもより苦かった。


日付: 2022/9/10
今日の個体数: 61→50

今日のバルーンかわいいポイント!バルーンはとても人懐っこい!だから片膝立ちをして待ってると飛び上がって肩に乗ってくれるんだ!ずっと待ってるとまるでバルーンの木になったようだよ。


日付: 2022/9/11
今日の個体数: 45

今日はバルーンを他の職員が触ってもいい週に1度の「ふれあいデー」だ!あまりのかわいさに握り潰しちゃう人が出るのはいつものこと。僕も昔やったことがあるしあまり気に病まないで、とは言ってあげたけど気になっちゃうよなぁ。


日付: 2022/9/12
今日の個体数: 55→50

今日でアリシアから教わるのは卒業。これからは僕が主要世話役としてやっていくことになるんだ。ちょっと不安もあるけど、アリシアは別の生き物の担当になるだけでセンターにはいるからいつでも質問はできる。きっと大丈夫さ!アリシアも時々バルーンに会いに来たいって言ってたしね!


日付: 2022/9/13
今日の個体数: 30

何だかいつもよりケージが静かだなぁ、と思ってたらバルーンの数が30匹まで減っていてびっくり。ちょっと焦ったけどこれくらいの減少はよくあることなんだって聞かされてたから大丈夫。ちゃんといつも通りのお世話をしなきゃ。まずは赤く染まったケージの中を洗い流さないとね。


日付: 2022/9/14
今日の個体数: 41

今日はバルーンの数が増えていて安心したよ。減らない条件がわかればいいんだけど、それは難しいみたい。だから、確率的に限りなく低いけど、もしかしたらいつか一斉にバルーンが消えちゃう日が来るかもしれない。そんな時が来るのは何十年も先であってほしいね。


日付: 2022/9/15
今日の個体数: 52→50

バルーンのつぶらな目を見ていると時が止まったかのように感じる。全てが見透かされるような、宇宙に飛ばされるような、そんな感じ。大丈夫、仕事はサボってないからね。


日付: 2022/9/16
今日の個体数: 56→50

バルーンって実は個々はなくて全体で一つの生き物なんじゃないかって思う時があるよ。一度夜中に間引かれる様子を見に行ったことがあるんだけど、隣にいた子が死んでも全く動じないんだ。それにこないだケージで「バルーン!」って呼びかけたらまるで1つの生物かのように皆一斉にこちらを見つめてきた。まあ、みんなバルーンだから当然かもしれないけどね。


日付: 2022/9/17
今日の個体数: 48

バルーン1匹にあげるエサの量はちゃんと決まってる。けど個体数が毎日変わるから用意する量をちゃんと計算しなくちゃいけない。昨日一昨日と同じ量だったけど今日は少し減らすのを忘れないようにしないと。


日付: 2022/9/18
今日の個体数: 50

今日のふれあいデーにアリシアが来てくれた!新しい生き物のお世話が中々難しくて癒されに来たんだって!僕も世話役になる前そうだったから気持ちがわかるなぁ。僕の仕事がセンターに役立ってると思うとやる気が出てくるね!





日付: 2022/10/8
今日の個体数: 49

気が付いたら世話役になってから1カ月が経ってた!楽しい時間が過ぎるのはあっという間というのはホントだね!バルーンの世話を始めたばかりのころはマニュアルを見ながらで作業に時間がかかってたけど今じゃ随分なれたものだ。明日のふれあいデーの準備ももう万端だ!


日付: 2022/10/9
今日の個体数: 12

バルーンが一気に減ってしまった。何かにやられたんじゃないかと思ったけどケージに不具合はなかった。単純に一晩でこの数に減ってしまったんだ。今日のふれあいデーの予定も中止。楽しみにしていた人たちには悪いけどうっかりして更に数を減らしちゃまずいからね。


日付: 2022/10/10
今日の個体数: 12

バルーンの数は昨日と変わらず。以前はそこまで気にしてなかったけど、ここまで数が減るとバルーンが全て消えてしまう「その時」が来てしまうんではないかと気が気でならない。たまたま休憩室で出会ったアリシアに相談したらアリシアの時もそれぐらい減ってしまうことはあったんだって。だからきっと大丈夫!ただ僕には何もできないから増えてくれることを祈るしかない。


日付: 2022/10/11
今日の個体数: 10

今日も数は増えなかった。ふれあいデーが中止になったことを聞きつけてティムが心配して様子を見に来てくれた。バルーンのお世話を手伝ってくれて一緒に増えてくれることを願ってくれるだけじゃなく、僕の体調も気遣ってくれた。優しい人だ。もし万が一バルーンが全滅したとしても僕を責めたりしないとは言ってくれたけど、そうならないことを望むよ。


日付: 2022/10/12
今日の個体数: 15

ようやくバルーンが増えてくれた!僕らの祈りが通じたのかもしれない。君たちはこのセンターになくてはならない存在だということをひしひしと感じられたよ。ここ数日は朝が来るのが怖くてあまりよく寝られなかったけど今日は安心して眠れそうだ。


日付: 2022/10/13
今日の個体数: 20

数は確実に回復してきている。まだ少しだけど一安心かな。今更だけど自ら減少するのはどういう生態なんだろう?病気やケガをした生き物が群れから切り捨てられる、なんていうのは聞いたことがあるけど、亡くなるバルーン個体にそういったおかしなところはない。本当に不思議な生き物だ。


日付: 2022/10/14
今日の個体数: 18

少し減ったけど大丈夫だ。これくらいなら。


日付: 2022/10/15
今日の個体数: 19

数が減っていないというだけでとても嬉しい。最近は毎朝ロシアン・ルーレットをやっているような気分だ。


日付: 2022/10/16
今日の個体数: 12

まただいぶ少なくなってしまった。今日もふれあいデーは中止にしないといけなかった。優しいセンターの皆は僕を責めはしないけど、心の中じゃがっかりしてるんだろう。


日付: 2022/10/17
今日の個体数: 17

少し回復したけどこれ位じゃ全然安心できない。 ああ、ケージいっぱいにバルーンが走り回ってた頃が懐かしい。バルーンが大きく跳ねただけでどこかにぶつかって死んじゃうんじゃないかとビクビクしてしまう。


日付: 2022/10/18
今日の個体数: 11

同僚が飲みに誘ってくれたけど断った。今はそれどころじゃないし、合わせる顔もない。


日付: 2022/10/19
今日の個体数: 7

どうか。


日付: 2022/10/20
今日の個体数: 5





ここまでがセオドアの日誌だ。最終更新日は昨日。

そして、残念なことを書かなければいけない。バルーンが全部いなくなってしまった。計測されたデータでは午前2時に6匹いたバルーンが午前3時に0匹になったことが記録されている。「その時」がいつか来るかもという話はしたがまさかここまで早いとは思わなかった。私も含めウィルソンズはバルーンが大好きだった。みんな悲しみにくれている。

けどそれ以上に心配なのはセオドアだ。彼は今、行方不明になっている。昨日、夜の2時前くらいに宿舎から出て行ったようだけどそれから誰も見ていない。彼はバルーンのことが大好きで、世話役になったころはそれはそれは楽しそうな様子だった。バルーンがいなくなったことの悲しみは私たち以上だろう。無事でいてくれればいいんだが。




セオドアが見つかった。ボーリングの山中で倒れていた。雨の中、低体温症で気を失っていたけど命に別状はないらしい。今病院で治療を受けている。ひとまずは彼が無事で本当に良かった。ただ彼が見つかった時、髪や服が血でべとべとだったらしい。一体、彼の身に何があったというんだろう。

告白

バルーンの世話役だったセオドアだ。本当にすまない。私はとんでもないことをしてしまった。許されるとは思っていないし、あの時の僕は……正気ではなかったんだ。

バルーンの数がとても少なくなり、最初のうちは大丈夫、すぐにまた元の数に戻るだろうと楽観視していた。けど少し増えてはまた減っての繰り返し。いつバルーンが全滅する「その時」が来るか気が気でなかった。

それに仮に元通りの数に戻っても、もう安心できなくなってしまった。またいつかバルーンがごっそり減る時が来る。「その時」はいつか来る。

こんなにバルーンのことを心配しているのに僕は何もしてあげられない。無力だ。あしたの朝、バルーンが1匹もいなくなったらどうしようそればかり考えるようになった。そうなったらセンターの人々の癒しを1つ奪うことになるし、なによりアリシアやそれ以前の世話役にも申し訳が立たない。

そんな日々が何日も続くともう耐えられなくなった。いつしかいっそのこと早く「その時」が来てほしいと願うようになった。

だから、自分で「その時」を作ることにした。

夜中にバルーンのケージに入って、殺した。シャベルを振りかざして、1匹1匹、叩き潰した。その行為にはなんとも思わなかった。バルーンが死ぬだなんていつも起きていることだからね。

そして、気づいた時には最後の1匹になっていた。バルーンは逃げ出すこともしないで簡単に僕の手に捕まった。後は少し力を入れれば「その時」が訪れる。最後だと思うと何だか名残惜しくなって──本当に何を言っているんだと思われても仕方ないけど──もっと写真に残しとけばよかったなとふいに思った。けどカメラなんて取り出してる余裕は無かったからバルーンの最期の姿を目に収めることにした。

バルーンはいつもと変わらない小さい目で僕を見つめていた。仲間が全員死んでいるのに本当にいつもと変わらない目で。それに比べて僕はどうだろう。バルーンをお世話するのが役目なのに、反対に殺し尽くして。いつもとは正反対だ。

そこで僕はようやく我に返った。なんてことをしてしまったんだろうと。僕はがっくりと腰を下ろして座り込んだ。手にしていたバルーンをそっと離して地面に降ろした。

そして頭を下げて泣きながら謝った。ごめんなさいごめんなさいって。でもそんなのどうでもいいよと言わんばかりにバルーンは僕の肩に乗ったりぱたぱた走り回ったりしていた。僕が愛したかわいいバルーンのままだった。

そうだ、まだ引き返せる。きっと大丈夫だ。生き物はみな生存本能がある。だから最後の1匹になってもきっと増えてくれる。また元に戻る。そう思った。

バルーンは僕の目の前にぷかぷかと浮かんでいて、笑っているように見えた。

その時深夜2時40分、ちょうどバルーンが増減する時間が来た。最後のバルーンがパンとはじけて、僕の視界が赤く染まった。

そこからはよく覚えていない。気づけばボーリングの山の中にいて、全力で走った疲労と体のあちこちをぶつけた痛み、そして雨の冷たさに震えていた。そのままだとのたれ死んでただろうから見つけ出してもらったのはとても幸運だったと思う。いやすまない、幸運の青い鳥を殺し尽くしておいて言う言葉ではなかった。

僕が話せるのはこれで終わりだ。本当に申し訳なかった。


それからセオドアはセンターを辞めてボーリングから去って行った。引き留めたのだけれど彼の心を変えることはできなかった。もっと事前にメンタルケアをしてあげていたらこの結末は変わっていたのだろうと思うと残念でならない。私たちは野生動物の保護や世話をするのが使命だけど、それを達成するためには私たちのケアも欠かしてはならないことは教訓としなくてはならないね。

ともかく、今は空へと帰って行った小さな天使たちの冥福を祈ろう。






差出人: ヘルメース
受取人: ティム・ウィルソン
CC: エドガー・ホールマン
日付: 2023/05/19

君がウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズの代表で合ってるかな?僕はトリスメギストス・トランスレーション&トランスポーテーション社のヘルメスという者だ。財団から連絡先を聞いて連絡させてもらった。

僕は君たちのいう「神」のような存在であり、その関係でツテがある死後の世界にも知人、カローンから依頼があってね。どこかで打合せのアポイントを取りたいんだ。

君たちが籠から逃がした、愛すべき青い鳥について。


帰還!

奇跡が起きたといっていい。我々のもとにバルーンが帰ってきた!

いったい何が起こったのか話さなければならないね。まず最初は1通のメールだった。ヘルメスという伝令神を名乗っていた。最初は悪戯かと思ったけど、監督者のアドレスがCCに入ってたから問い合わせてみたら本物の神様だって言うんだ!それを聞いた時は心臓が止まりそうになったよ!機械仕掛けから神様のお告げが来るなんて変わった時代になったものだね。

それで、ヘルメス神と監督者と私たちで会議の場が設けられた。彼はバルーンを生き返らせたいというんだ!いったいどういうことなんだと思うよね。何やら専門的な言葉も多く完全には全てを理解することは難しかったけど、だいたいの話をまとめるとこうだ。バルーンの体はいくつも増えるけど魂は1つだけで、最後の体が現世で失われたからあの世へと運ばれた。そうしてあの世で過ごすための身体を貰ったわけだけど、その身体でもバルーンは増えだしたんだって。あげく死後の世界だからなんと死なない、つまり数が減らず増え続ける一方だったそうなんだ!バルーン、いったい君たちは何者なんだい!?それでこのままだとあの世がバルーンで満杯になってしまう!ということで現世に戻すことを決めたそうなんだ。ヘルメス神は監督者たちとパイプがあったから冥界の渡し守から仲介役を頼まれたそうなんだ。

監督者たちは当初バルーンを我々に引き渡すことを拒絶していた。悔しいけど、一度死なせてしまってるから管理できないと思われても仕方がないことなのかもしれない。それでも私たちはボーリング協定を元に粘り強く交渉した。バルーンは適切な管理下にあれば低脅威でありウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズで飼育が可能であること、元々ボーリングで発見された生き物であることからボーリング協定に基づきそのリハビリテーションを行うのは認可された行動であること。しかし最終的にヘルメス神がバルーンをボーリングへと返すことを引き渡しの条件として提示したことで議論は終着した。ハギに聞いたけどこういうのを日本語では「鶴の一声」って言うんだって。どうしてそんな条件を出したかというと、彼の会社は翻訳の業務も行っており、鳥が話す言葉を翻訳できるそうなんだ。 (部下には鳥の頭をした神様もいるらしいよ。一度話してみたいものだ!) それでバルーンたちに聞いたところ、彼ら自身がボーリングへの帰還を希望していたんだって!また皆に会いたいだなんて、嬉しいことを言ってくれるもんだ。

まず監督者側でバルーンたちを引き取ることにした。なにしろ天国が溢れかえるくらいのとんでもないバルーンがやってくるわけだからね!「間引く」ことはお願いしたというわけさ。それからこのセンターに運ばれて今は元通りのお世話が始まった。皆大喜びで「ふれあいデー」も大盛り上がり!そうそう、もちろん元通りといっても、同じ間違いを繰り返さないように対策はしてある。前はケージ1つでお世話をしてたけど、バルーンたちが住むケージを3つに増やしたんだ。世話役も3人!もし何かあっても別の場所においてあるケージにいるバルーンから補充するというわけさ。

さて、最後に彼──元世話役であったセオドアのことについて話しておかないといけない。バルーンが帰ってきて、私は彼に連絡をとった。とはいえ彼にとっては死んだ相手が蘇ってきたことになるから、そこは少しぼかしながら。「もしバルーンが生き返ったら、また会いたいかい?」といった具合にね。正直なところ私のおせっかいで彼は望まないかもしれないと思っていたんだ。けど彼は力強く「会いたい」と答えた。それから彼は久々にこのボーリングの町に戻ってきた。私が見たセオドアの最後の姿はひどくやつれた姿だったけど、その頃に比べるとずいぶん元気そうに見えた。少し時が癒してくれたのか、バルーンに向き合う覚悟ができたと言ってくれたよ。

そして、ついに対面の時がきた。詳しい交流の様子は、セオドアとバルーンだけの思い出にしてあげたいと思う。とにかく、とても素敵な時間を過ごせたのは確かだ。

その後セオドアと少し話したんだけど、彼は今、実家のトウモロコシ農家を手伝ってるんだって。それでお願いしたんだ。君の作るトウモロコシを我々にも卸してくれないかって。彼は快くOKしてくれた!セオドアが持ってきてくれるトウモロコシは今じゃバルーンたち生き物から大好評さ!いろいろ形は変わったけど、私は今でも彼はウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズの一員だと思っている。また遊びにおいでよ、セオドア!

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