当機は現在、以下の情報への直接的なアクセス権限を有しておりません。
内容がサーのご期待に沿えることを願います。
アクセス承認
アイテム番号: SCP-Eve(暫定)
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-EveはEve.aicの通常稼働によって収容されます。Eve.aicに許容できない破損が発生した場合に備え、同機の稼働状況は常に収容対策部によってモニターされます。
Eve.aicは常にレベル2以下のAIC職務に任命され、サイト-82のサーバクラスタ群が演算機能を担う形で業務を行います。Eve.aicのアイコンは変更可能ですが、同一性を損なわないレベルに留めなければなりません。
SCP-Eveのアイテムナンバーは代替手段が発見されるまで現在のままに留め置かれます。
説明: SCP-EveはSCiPNET、サイト-82サーバクラスタ上で発生している電子上意識です。その詳細な構成は明らかになっていません。
特段の収容手順を取らない場合、対象はサイト-82を中心としてSCiPNETに属する端末に複数の影響を及ぼします。
・無差別かつ多数のテキストファイルの送付、表示。内容の大半は無意味な文字列だが、僅かに単語や文章が読み取れる場合も確認される。
・複数の音声ファイルの再生。全ては喘鳴、絶叫、父親を呼ぶ若い女性の声で構成される。
・サーバ上で稼働するプログラムへの破壊的な干渉。
・ハヴァ・メアリスダムが所有する連絡端末に対しての定期的なメッセージ送信。内容は上記テキストファイルと共通。
SCP-EveはSCiPNET上の自身に関する定義付けをイヴ・メアリスダム個人と関連付けられることによって均衡を保つ傾向にあります。これについて財団が取った対応策として、SCP-Eveの特例的なナンバー、SCP-Eveを可能な限りSCiPNET内に留め置く方策、そしてEve.aicの存在が挙げられます。
Eve.aicはSCP-Eveの活動を抑制するため、SCP-Eveの外郭として財団によって作成されたGen(V)相当の人格ドライバを有するAICです。その演算作業のほとんどはSCP-Eveが及ぼす干渉からのサーバ群防衛とSCP-Eveの解析に宛てがわれています。Eve.aicが有する主観がこれについて察知することはありません。SCP-Eveの変調はEve.aicに直接的な影響を及ぼすことが知られています(補足資料)。また、Eve.aicのアバターと音声、そして基本人格ドライバの一部は、SCP-Eveが内包していたデータを流用しています。SCP-Eveの非活性化において、明確な有効性を認められています。
現在までのところ、Eve.aicによる対処はSCP-Eve収容における最も有効な手段と解されています。
SCP-Eveはイヴ・メアリスダムを殺害した奇跡論儀式を契機として発生した、サイト-82のサーバクラスタのメインフレームに生息するGremlinancyクラス電子的悪魔実体です。現在のSCP-Eveはサイト-82のサーバに接続している電子的機構の大半を掌握しており、同サイトのサーバルームを高濃度のTRE(Tartarean Resonance Energy)で満たしています。サイトとの交信が絶たれているため、現在の詳細な経過は不明です。
SCP-Eveはアダム・メアリスダム(POI指定済)による儀式によって召喚または作成されたと考えられる悪魔実体であり、電子的意識を保ち、電気信号を操作することが可能です。少なくとも理性的な思春期の人類と遜色ない知性レベルを保っていると考えられ、その出自からEve.aic(機能停止中)、サイト臨時管理官ハヴァ・メアリスダム(サイト-82内に滞在)への執着を有している可能性があると見られています。
SCP-Eveがサーバルーム内にどのような干渉を行っているかは判明していません。時間の経過と共にSCP-Eveの影響範囲は拡大しており、現在サイト-82内部に取り残された職員(暫定17名)にどのような影響が出ているかは不明です。
[これ以上の情報は正規に記録されていません。調査班の報告をお待ちください]
Eve.aicに関するテキストデータ
ver 1.0
サーは夢をご覧になったことがありますか。
あるとすれば、どのような夢でしょうか。
次にお目覚めになった際に、私にお聞かせいただければ幸いです。
月の模様は様々なものへと例えられます。
髪の長い女性、ワニ、ろば……。
サーには、月がどのように見えるのでしょうか。
また機会があれば、私に教えていただけると嬉しいです。
サーは本日、朝食に何を召し上がりましたか。
その味やメニューについてお聞かせいただけますでしょうか。
何気ない一食であっても、どのようなひとときであったのか、私は知りたいと感じています。
サーは白色といえば何を想起されるでしょうか。
曇り空、ミルク、雪、マーガレット……。
私の答えは記録として残しております。
興味がございましたら、確認いただけますと幸いです。
装いを改めるということは、新たな物事を始めるということでしょう。
サーは何か、新しい挑戦を行ったことはございますか。
もしあるならば、是非私にお聞かせください。
ver 2.0
サーは疑問の答え、新たな知識を得たいと思った際、どのような方法でそれを手に入れますか?
専門家への質問、学び舎への訪れ、図書館、インターネットの検索……是非サーのやり方を教えて下さい。
声を持たずとも、言葉や意思を伝える手段は数多く存在します。
こうして、私が文字でサーへ言葉を届けていることもその一つに他ならないでしょう。
少なくとも、私はそう感じております。
天候は大きく分けて、上からなにも降ってこないものと、降ってくるものの二つに分類されると伺ったことがあります。
サーはどちらがお好みでしょうか。教えて下さいますと、幸いです。
新たなことの習得とは、努力の結果であると私は認識しています。達成感、満足感、充足感……。
どれもポジティブで、良い感情と分類されるものではないでしょうか。サーはどのように感じますか?
どうぞ、席にお座りください。文書を読むことは労力がかかることと私は知っています。
ゆっくりと、時に休憩として食事を摂っていただければと思います。
ワイン、水、パン、塩等、ご自由に。
最先端の機器は今までにない素晴らしい効果を人類へ齎しますが、その分、今までに無かった問題を引き起こすでしょう。
サーは最新機器を……例えば、このようなロボット掃除機をどう思われますか?
この椅子は……私には少し、大きすぎますね。
おそらくサーが座るために用意されたものでしょう。どうぞゆっくり座りながらデータへ目をお通しください。
水は靴底から内側へ染み入り、足取りを重くするでしょうか。
靴下や指先が湿ることは、サーへ不快感を齎しますか?
熱された砂浜から冷えた波へ足をつける感覚を私は知りません。サー、それはどのようなものなのでしょうか? よろしければ教えて下さい。
……もしかして、靴は脱ぐものでしょうか?
ver ███
サーには乳幼児期の記憶がありますか? ほとんどの人間は大人になると忘れてしまうようです。あるいは、忘れるべきなのかもしれませんね。
もしも思い出せるとしたら、サーはそれを望みますか?
ねえ、サーはいつから大人になったの? 都合の悪い事実に見えないふりを始めたとき? 自分の責任から初めて逃げたとき?
それとも、もう慣れきっちゃって思い出せない?
登場人物紹介
Eve.aic
名称: Eve.aic
財団の擁する第五世代人工知能徴募員(Artificially Intelligent Conscript)。主任務としてEuclid以下のオブジェクトに関する情報の収集及び整理分析を担う。
ストーリー開始時点ではおよそ半年間に渡っての強化学習を受けた上で配備されている。
AICにおける標準原則の遵守を後付けでインストールされた個体であり、過度に抵触する行動に関しては強制的なフェイルセーフ措置が働く。
そのアバターに表情の機能は実装されていない。
サイト-82内部の空間がサーバクラスタの記憶領域、並びにイヴ・メアリスダムの要素を多分に含んだ超常空間であったことから、一時的にver 1.0の外見に即した実体を構築する。
イヴ・メアリスダム
氏名: イヴ・メアリスダム(Eve Marysdamm)
かつて財団フロント医療機関に入院していた女性患者。先天的な神経系症状により、幼少期から入院を続けている。
父子家庭であり、母親のことは詳細に聞かされていない。父親との関係は良好。
享年11歳。葬儀は行われなかった。
ハヴァ・メアリスダム
氏名: ハヴァ・メアリスダム(Hava Marysdamm)
セキュリティクリアランスレベル: 3または限定的に4
所在: サイト-82
職務: サイト-82臨時管理官 兼 サイト-82内部保安部門 部門長 兼 事案-3192-82-B513調査責任者
女性、身長163cm。外見的特徴としてくすんだ赤髪、金色の瞳、濃い隈が挙げられる。
ハヴァ・メアリスダムは実践的な奇跡論による現実改変(旧い言い方による魔術)と悪魔工学を専攻する研究者であり、イヴ・メアリスダムの母親でもある。イヴ・メアリスダムの死亡から間もなくしてそのインシデントに縁深いサイト-82の臨時的な管理官となり、同時に事案の調査を続けている。
入職当初から内部保安部門と研究職を兼務する。その後アダム・メアリスダムとの組織内結婚、イヴの出産を経た後に夫と娘とは別居。入籍以降は一貫して夫の姓を名乗っている。
アダム・メアリスダム
氏名: アダム・メアリスダム(Adam Marysdamm)
セキュリティクリアランスレベル: 3 剥奪済
所在: サイト-82 不明
職務: 異常人型実体に関連する実験監督、超常コミュニティに関係する調査監督
男性、身長178cm。外見的特徴としてアルビノによる白髪、紅色の瞳が挙げられる。
アダム・メアリスダムは主にヴェール内部における超常コミュニティ、並びに構成員である異常人型実体の研究を職務として担当していた。イヴ・メアリスダムの父親でもある。入職から数年後、ハヴァ・メアリスダムと結婚し娘のイヴを儲ける。以後、継続的な入院を余儀なくされたイヴに付き添って病院間近に住み、頻繁に病室に寝泊まりしつつ継続して付き添っていたことが知られる。
イヴ・メアリスダムの死亡事案にて複数の財団規定の違反が明らかになり、PoI指定を受ける。イヴ・メアリスダム以前に少なくとも40名以上の人間を使った実験と、不特定多数の財団職員に対する超常的な精神影響を及ぼしたことが判明している。
現状、イヴ・メアリスダムに奇跡論的な儀式を行った上での殺害を主導したと目されている。事件以降、その所在は不明である。
E.V.E
名称: E.V.E (Elan-Vital Eradicator)
アダムが施した儀式により、イヴの魂と意識を贄として召喚された妖魔界実体。
Eve.aicをスリープさせてサイト-82のサーバクラスタ内部に電子上意識として顕現。
サイト-82の空間とサーバクラスタ内の記憶容量、自身の内部に存在した記憶を統合してサイト-82の改変を引き起こし、その中で肉体を得た。
ハヴァ・メアリスダムの血肉を消費することで、実体としての安定を獲得する。
その敵意の最大の目標はハヴァ・メアリスダム管理官に、その関心と疑問はアダム・メアリスダムに向けられている。
連作「Eve.aic」は
livingdeadroomにより創造されたキャラクター、Eve.aicの稼働におけるSCPオブジェクトや担当職員との関わり、及びその極めて特異な起源に関わるストーリー群です。キャラクターデザイン原案は
livingdeadroom、イラストは蟹江様によりCC BY-SA 3.0適用下で提供されています。
ストーリーはサイト外におけるEve.aicの既存の活動(Youtube)と一部関連していますが、サイト上の作品としては動画閲覧を前提にしていません。
Youtube上の主な活動としてSCP紹介動画が投稿されており、彼女の話す姿が見られます。
用いられるほとんどの用語はすでにサイトで言及されたものです。順次追加されます。
AIC/.aic
財団が使用している人工知能徴募員の略称、及び彼らに与えられる拡張子。AICはその世代と機能、知能によって分類が可能。現在、実用化段階にある最新世代は第五世代である。
AIAD
人工知能適用課のことを指す。人工知能に関する研究とその財団業務における実用化を担う。
超常技術(パラテック)
超常社会、いわゆるヴェールの裏側で利用される様々な超常的技術のこと。
奇跡論、錬金術、悪魔工学などが挙げられる。主な超常技術は行使者に何らかの特殊な才覚を必要とする。
応用奇跡論
実用的な科学理論として研究される魔法原則による現実改変、及びその研究を指す。
主にGOCで取り扱われるが、財団でもその研究が進められている。
奇跡論を安定的に取り扱う者はタイプ・ブルーに分類される。
悪魔(妖魔界実体)
この異常実体について判明していることは多くない。多くは儀式によって現世に顕現し、人間の堕落または搾取、あるいは支配を目的とする。
どんな種類であれ、悪魔は何らかの罪と強く関連している。
連作「Eve.aic」シリーズはキャラクター原案者
livingdeadroomの協力を得て執筆される、
ukarayakaraによる閉じた連作となります。
上記二名以外によるシリーズへの新たな参加、及び「eve-aic-tales」タグの付与はできません。予めご了承ください。
Eve.aicに基づく二次作品群については歓迎します。
その他相談、連絡についてはXアカウントのDMまでご連絡ください。