オルトノーマル医療の始まりについて
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異常代替オルトノーマル医療

安全なのか?それとも胡散臭い眉唾ものなのか?


 最新の異常医療現場においては、多くの関係者が代替医療に興味津々だ。ビジネスに積極的だった薬剤系大企業の一部が、健康に悪影響を及ぼす商品を販売していたというクレームが飛んだ挙句倒産したのは記憶に新しい。プロトサイエンスにこの情勢を作り出し、超常社会の科学会議やメディアにおいても精力的に活動するヤロスラフ・ジモロデク氏。我々はこの新しい時代の転換点について、そして情勢が与える影響について、彼から話を聞くに至った。

おはようございます、ヤロスラフさん。まず、この代替医療という分野に惹かれた理由をお伺いしたいです。

私がまだAGH科学技術大学の学生だった頃に遡りますね。学生として研究に励んでいると、現代の医療システムが如何に欠陥だらけか分かってくるんですよ。そこらに売ってる市販薬なんかがそんな感じで、使うと症状が良くなるどころか悪化するといったことが多々ある訳です。私の家では自然療法が普段から使われてたんですけどね、ほら、風邪引いたら母のオニオンシロップとか父のチキンスープ飲むみたいなやつですよ。社会人になった今でも、こうした自然療法が一番だって思うわけですね。

超常社会に進出するまでの過程についても、お聞かせ願えますか?

私が財団からキャリアをスタートしたマッドサイエンティストである、というのがライバル科学者達の主張です。こんな風に言われる理由は単純で、私が若くてろくにキャリアもなかった頃、財団に拾われたからなんですよね。実際。でもって財団は、私を異常な洞窟を見つけるための人手として駆り出しました。まぁ当時のことはあんまり良く覚えてないんですけどね。年取るってのは悲しいもんです。なんやかんやで私は財団を辞めて今に至ってる訳なんですが、今の境遇も悪くないと思ってますよ。財団も財団でまぁ色々ありまして、賛同できない部分も多かったですから。長い間、財団の監視から逃れてコソコソやる必要もありましたし。そういう経緯があって、私は超常社会の現状を知ったわけです。この環境でどうしたら利益を得られるかもすぐ分かりました。

近年、あなたがMC&Dと関係しているという噂がありますが、それは本当ですか?

いやいや、そんなことないですよ。何言っちゃってるんですか。確かにMC&Dの人達とは財団時代に何回か会ったことありますけど、あそこもあそこで財団みたく黒い噂のひとつやふたつあるってことくらい分かりますよ。MC&Dは医療薬も売ってたんですけど、これは使えるって思いましたね。超常社会に、私の代替医療革命の風を巻き起こせるんだって。

このビジネスをどうやって始めたか、お聞かせ願えますか?

そりゃもう、長く険しい道のりでしたよ。まず最初に、私は治療効果のあるアノマリーを手に入れようとしました。89年の6月、私はある一人の魔術師と出会いました。名前はアーチン・バーレン。魔術師学会の一員です。彼と行動を共にし、私たちはついにビタミンCベースの異常医療薬品の開発に成功しました。最初の一歩ですね。我ながら信じられないって思いましたよ。ですがその頃、歯に影響を及ぼす──虫歯が秒で抜けたあと、数時間すれば新しい健康な歯が生えてくるっていうやつなんですけど──その粗悪品パチモンが市場に出回ってしまってからは、私のイメージは地の底です。ビタミンC薬品のイメージも当然地の底なので、まぁ道理ではあるんですけどめちゃくちゃ不運を恨みましたね。パチモンの方は使うと歯の代わりに変な牙が生えてきちゃって。もう何が何だか分かりませんでした。下手すりゃ財団に捕まっちゃうとこでしたよ。数年経って、巻き返すぞってことでイメージアップを図りました。アーチンが友人を何人か連れてきてあれこれやってる間、私はマーケティング戦略やら流通経路やらを整えていました。何回か大きな組織に目をつけられたことはありますが、まぁ大した問題じゃないですね。元ロシア諜報部からいい感じのアノマリーを買い取った後、私たちのオファーはどんどん大きくなっていきました。こりゃ儲けられる。国全体を変えるかもしれないパワーが、可能性があると、私たちは賭けたわけです。この国の若者は国際企業のいいカモで、こんなことはすぐに止めなくてはならない。そういうわけで、今に至るんですね。私たちはまだまだ小さな組織ですが、多くのポーランドの人々が私の理想に共感し、品物を買ってくれています。異常科学のちょっとした催しにも行くことがありますが、まぁ歓迎されちゃいないですね。ですが、私はこの目で一般の人々が私のように変わろうとしているのをしかと見た。私は歴史に名を刻むような科学者ではなく、一般の人々の味方です。私の理想に共感してくれた人たちに恥じないようにしたいですね。

代替医療における異常薬品について、何かコメント等はありますでしょうか?

そうですね〜、全ての答えは消費者にあり、ってことですかね。ウチは大企業とは違って、扱う商品の異常性を隠すことは一切してません。製品に化学物質は全く含まれてませんし、身体にダメージを与えるなんてこともありません。このインタビューを読んでる全ての読者さんに、強〜くお勧めしたいですね。興味がおありでしたらウチのウェブサイトも是非ご覧ください。

ジュリア・バー
ワルシャワ異常クーリエ

 アメリアは机の上に新聞をおっぴろげ、大きなため息を吐いた。携帯を取り出し、すぐにある番号を打つ。
「もしもし、アダムさんですか?はい、異常医療絡みの案件です。イータ-17をこちらに寄越してください」
 彼女は新聞の見出しを覗いた後、携帯を置いた。

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