SCP-3939-JP
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アイテム番号: SCP-3939-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3939-JPは現在、サイト-8181の人型オブジェクト収容室にて収容されています。標準的な対人収容プロトコルに加えて、言語的・技術的ギャップを埋めるための追加プログラムが適用されます。

説明: SCP-3939-JPはモンゴロイドの人型実体です。外見は少女で、どの現存民族にも合致しない不明な文化習俗を有しています。オブジェクトはクラスBの耐性評価を有しており、高低温・圧力・酸欠・絶食・絶眠・老化など、財団の設けた18項目の基準に対して高い強度を示します。

SCP-3939-JPは2018年、薩摩硫黄島の南東約17キロに位置する海底で発見されました。発見当時、オブジェクトは海底に半身が埋まっており、意識はあるものの呆然自失の状態となっていました。

インタビューログ

SCP-3939-JPは未知の言語を母語としていますが、上代日本語と部分的に類する点があったことから、言語学部門による訓練の結果、簡易ながらも意思疎通が可能となっています。以下はオブジェクトの起源に関するインタビューの現代語訳です。


[記録開始]

相模研究員: 大丈夫でしょうか、ヒイコ(注: SCP-3939-JPが自称する名前)さん。ゆっくりでいいので、あなたが海の底に埋まった経緯を教えてください。

SCP-3939-JP: [暫しの沈黙] にえ。怒り。

相模研究員: にえ、生贄……ですか?何に対する?

SCP-3939-JP: アカボッコ。

相模研究員: アカボッコ。神様のようなものでしょうか。

SCP-3939-JP: 雨、強い。魚、取れない。クニ、腹減った。アカボッコ、怒ってる。

SCP-3939-JP: 私、強い。すごく、強い。みな、言った。私、美味しい。アカボッコ、気にいる、きっと。

相模研究員: それで……生贄に捧げられたのですね。

SCP-3939-JP: 私、船乗った。水の中、降りた。大きな石、抱いて。

SCP-3939-JP: 私、口の中、入った。アカボッコ、笑った。舐めて、吸って、噛んだ。

SCP-3939-JP: 噛んで、噛んで、噛んだ。

SCP-3939-JP: 噛んで、噛んで、噛んだ。

相模研究員: うん……?

SCP-3939-JP: 噛んで、噛んで…… [次第に小声になり、沈黙]

相模研究員: ヒイコさん?

SCP-3939-JP: [目を伏せる] アカボッコ、噛み切る、なかった。

相模研究員: それは……

SCP-3939-JP: アカボッコ、怒った。すごい怒った。アカボッコ、舌出した。舐めて、取った。たくさんたくさん。クニ、なくなった。

相模研究員: [沈黙] まさか、他の人を……?

SCP-3939-JP: [頷く]

SCP-3939-JP: アカボッコ、満ちて、寝た。私、吐かれた。水、底、落ちてった。

SCP-3939-JP: [困惑した表情で] 私、石みたい、だった。邪魔な、貝の、小石。

[記録終了]

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鬼界-アカホヤ噴火の影響範囲。

補遺: SCP-3939-JPの回収場所にある堆積物を測定したところ、およそ7300年前に形成されたものであることが判明しました。形成年代および周辺地理を鑑みるに、オブジェクトは縄文時代早期に発生し、南九州一帯を壊滅させた火砕流噴火(鬼界-アカホヤ噴火)と何らかの関連があると推測されます。

大規模災害の発生地において、高耐性の人型オブジェクトが見つかる例は他にもあり、現時点では以下のようにナンバリングがなされています。これらのオブジェクトはいずれも、自然崇拝および人身御供思想の影響下にある点が概ね共通する特徴として存在します。

  • SCP-5B61-IN - インドネシア・トバ湖
  • SCP-2S12-IT - イタリア・フレグレイ平野
  • SCP-3A56-US - アメリカ・クレーターレイク国立公園
  • SCP-8K39-JP - 日本・箱根カルデラ
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