クレジット
⚠️コンテンツ警告
この作品には、以下の要素を持つ描写が存在します:
- 残虐行為およびボディ・ホラー
- 猟奇殺人、死体の視覚的描写
苦手な方はSCP‐4624‐JP‑α, ‑βのアーカイブ済報告書詳細を閲覧せず、そのまま読み進めてください。
タイトル: SCP-4624-JP - 一心に祈らば彼方かのかたもまた応えむ
著者:
oplax-counterpoint
作成年: 2025
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⚠️ コンテンツ警告
特別収容プロトコル: 現在、SCP‐4624‑JPの収容はその文化的・宗教的条件から、日本およびその周辺地域を重点的に実行されています。全世界的なスクリーニングについては協議中です。
日本全国の宗教拠点のうち、基準値 (20 cAk) より高いアキヴァ放射を維持している重要拠点について、実行される儀式すべての手順を厳格化するための潜入作戦が展開中です。作戦完了後は、既に規定されている各拠点の定期測定・儀式ごとの測定のみによりアキヴァ放射の状況を監視されます。
SCP‐4624‐JP‑α実例、SCP‐4624‐JP‐β‑1、SCP‐4624‐JP‑γについてはそれぞれのプロトコルに基づいて収容されます。非定型的なα実例およびSCP‐4624対象はフィールドエージェントによって捜索されます。
日本支部各サイトの0号会議室にSCP‐4624‑JPあるいはそれに関連する異常は発生していないことが確認されています。このため特別な措置、規制、考慮は必要ありません。SCP‐4624‐JP‑δに関する本報告書以上の情報はレベル5またはサイト‐8100クリアランスの下でのみ開示されています。
説明: SCP‐4624‑JPは一定の条件を満たした地理的区画(4624‑JP対象)に対して発生する異常現象群の包括指定です。少なくとも以下の条件を満たすことで発生することが確認されていますが、完全な条件については未解明です。
- 地理的に方形に区切られていること。天井はなくてもよいが、柱などによって形状が欠けていないことが要求される。
- 出入口は1箇所のみ用意すること。もしくは、1箇所を除いた全ての出口は、少なくとも儀式の準備段階から終了まで、封鎖するか、通行を禁止されるか、信念的に通行不可能であること。
- 区画内に祭壇あるいはそれに相当する設備が存在すること(以下総称して祭壇と呼ぶ)。
- 祭壇内部に、通常は外部から視認できない空間が用意されていること。視覚的に封鎖が可能であれば、内部を確認できる構造であってもよい。
- 一定水準以上の高アキヴァ放射を発生させる、あるいはそのようなアキヴァ放射が存在していること。
- 一定水準以上の「願い」に類する信念、あるいはそれに対する期待が区画(それを通じて願われる神仏)に向けて祈られること。
- 上記1~6の条件を満たした上で、諸宗教で制定されている「聖域化」手順、あるいは同等に充分な儀式的手順を実行しないこと。
- 上記1~7の条件を満たしたうえで、何らかの「願い」を伴う儀式が実行されること。
特に条件7のために、諸宗教における聖域・神域あるいは神殿などの領域は4624‑JP対象から結果的に除外されていることが判明しています。現在までに発見されている4624‑JP対象の土地は60%以上が山間の廃村などに位置し、四隅に木を植えて方形の祠を設置しただけの簡易的な設備であるものでした。
SCP‐4624‑JPはその特性上、諸宗教で聖域あるいはそれに類する空間を作る際の中間生成物として発生します。これは各宗教で定められている標準的な後続の手順に従うことで、問題なく聖域化し4624‑JP対象から解除されるものであるため、収容プロトコルにおける諸宗教団体への取り組みは手続きの厳格化と違反に対する厳罰に焦点が置かれています。
発見: SCP‐4624‑JPはそれぞれ独立に発見された3つのアノマリーおよび異常事件 (SCP‐4624‐JP‑α, ‑β, ‑γ) に対し、その関連性が発見されたことで指定が統合されたものです。以下は各アノマリーの概略及び詳細説明です。
SCP‐4624‐JP‑αは日本各地の廃村・山間部ないし僻地に点在する小規模な祠ないし祭場です。ほとんどの実例においてアキヴァ放射は周辺レベルと変わらず、その場合は既に無力化されていると考えられています。周囲の他の建造物より顕著に劣化が遅く、ある実例は廃村から200年以上経過しているにも関わらず、実例内部および境界の建造物に限りほとんど劣化がない状態であることが観察されています。
SCP‐4624‐JP‑α実例には(周囲に村落が残っている限り)必ず「祟り」に関する伝承が周辺地域に残されています。収集されたエピソードの半数以上は実例の汚損とその後の小規模な不運ないし災難と呼べる事象ですが、一部には異常な集団行動および儀式の伝承、および痕跡が確認されています。これらの事象とSCP‐4624‐JP‑α実例との関連性、および関連した場合に事象が発生する原理は調査中です。
特別収容プロトコル: 既に無力化されている実例については、特別な努力は必要ありません。収容はアキヴァ放射を残存させている実例の保護、特に民間人による実例との接触・汚損防止に重点が置かれます。
現役の村落および交通路に面した実例は、表向き非異常の祠ないしそれに類する物として扱われており、地元住民が率先して維持管理および警備を行っています。追加の措置として、実例の周囲に監視カメラおよびスピーカーシステムが設置されており、潜在的に危険な人物の接近に対して音声によるミーム摂取を実施し、安全に無力化します。同時にアラームが発報され、駐在エージェントによって回収されます。自動車等による物損事故、災害、重機による解体等に対しては予防措置は行われず、異常が発生した場合は「祟り」として欺瞞情報を流布します。
上記以外の実例は、偽装上屋の設置、登山道の抹消、フェンスの設置等によって民間人からの接触の可能性を最大限減少させます。異常性の実態およびリスクが十分に解明されるまで、解体を含む実例への破壊的な工作は延期されます。
無害化、もしくは聖域化のいずれかを実施可能な機会があれば実行してください。全ての実例が無害化ないし聖域化されたことを以て、SCP‐4624‑αはNeutralizedに再分類されます。
説明: SCP‐4624‑αは日本各地の廃村・山間部ないし僻地に点在する小規模な祠ないし祭場です。外見上それらの形態を取っていますが、非異常なほとんどのそれと同様に、ほとんどの実例においてアキヴァ放射は低いか周辺空間のレベルと差異が検出できません。アキヴァ放射の観測されない実例は既に自然な無力化が完了していると見なされています。
SCP‐4624‑αの異常性は主に以下のような統計異常として間接的に検出できます。実際に保持している異常性の内容は未解明です。
- 周辺地域の存廃に関わらず、特に風雨による実例の劣化がほとんど発生していません。この特性のために、発見された実例の76%は衛星写真のスクリーニングによって特定されています。
- 残存アキヴァ放射量と周辺地域の荒廃度に有意な相関が見られます。周辺とのアキヴァ放射に有意な差異が見られなかった全ての実例は周囲3kmに村落が存在しておらず、また現在でもアキヴァ放射を維持している実例の周囲は比較的大規模な共同体を維持しています。
- ほとんど全ての実例において、周辺地域に「祠の祟り」に関する伝承が残っています。一部の高アキヴァ放射実例においては近年においても “祟りの実例” とされる事案が記録されており、また財団による小規模な再現実験にも成功しています(記録α‑28, 29, 42, 53参照)。
記録(抜粋): 以下はSCP‐4624‑α実例周辺地域で収集・記録されていた、“祟りの実例” とされる事例集の抜粋です。内容とその表現はそれぞれの情報源に依存しているため、主観的あるいは曖昧な表現があることに注意してください。
記録α‑28‐0004
出典: 『八幡神社社史』 (八幡神社収蔵)
内容: 酔って生垣に小便を垂れた男が、その三月後に鹿に襲われ重傷を負った。特に腹部から下腹部にかけて傷がひどく、男は使い物にならなくなった。
記録α‑28‐0023
出典: インタビューログα‐28‑07(周辺地域住民である本名ほんな 茂氏の記憶する伝承)
内容: 元々祠が位置していた土地はかつて地主が所有していたが、戦後に農地を手放した折に維持ができなくなり、この土地も売却してしまった。これを購入した会社によって再開発の計画が建てられ、周囲に柵が立って祠とその区画への立ち入りができなくなった。しかしその後、何年経っても開発が進む気配が無く、噂には社員が続々と変死を遂げたために会社ごと立ち行かなくなったとも聞くが、とにかく数十年放って置かれた。その後、古くからの住民の有志でこの土地を買い上げ、それから近くの神社に寄付することでようやく今の状態に至った。
記録α‑29‐0012
出典: 河原硅村安政狐狼狸慰霊碑
内容: 安政年間に悪い風が流行り、これを鎮めるために小さな社を立てて祈祷したところ、すでに身体を悪くしていた者たちがたちどころに白い砂へと変わり、また既に死体となっていた者も白い砂へと変じていた。これを村中に撒いたところ、まだ元気であった者はその後数年間、風邪の類を一切引かず、また江戸へ奉公に出ても一切の疫病を貰わなかったという。
この功徳を崇め、また疫病の犠牲者を鎮めるために、村の名前を河原硅とし、また社をより正式に建て直したものが現在の河原硅神社の始まりである。
記録α‑42‐0002
出典: 椿大神社に収蔵されていた無題の草子 (α‐42‑A)
内容: 隣村である[墨塗、判別不能]村で、ある不作の年に祠を立てて加持祈祷を行ったところ、その時を境に住民が昼夜や場所の如何を問わず熱心に祈祷を行うようになり、手記の著者のいた村や近隣すべての村にも祈祷を勧めるほどになった。3か月、4か月ほどした後、村の中心では連日連夜火を焚いて村民が代わる代わるその火に拝跪したり、山野の獣を串刺しにして捧げたり、大声で呪文ともつかない言葉を叫ぶようになった。この頃には祈祷に参加しない人間(特に周辺の村落の人間)を「罰当たりの下衆」と呼ぶようになり、このために自然と交流がなくなっていった。
ある晩、その村の方角から大きな火が燃え上がったかと思うと、「餓鬼が九十九折に折り重なったような」巨大な化物が村から四方に出てきて、血を流しながら周囲の村民に襲いかかってきた。子供を食べ女衆を攫い、目につくものを皆殺しにしようとしたが、男衆に対してはもっぱら血を出させていたぶることをしたため、念仏を唱えながら大勢で取り囲んでどうにかこれを討つことに成功した。村は火と血の跡しか残っておらず、また喰い散らかされた人間があちらこちらに転がっていたという。周囲の田畑は呪われ、腐った沼と化していた。
記録α‑53‐0215
出典: 機動部隊ゆ‑8 “斎事記” 作戦行動記録およびインシデントログα‑53‐0093
内容: 心霊スポット巡りと称してSCP‐4624‐JP‐α‑53を訪れた大学生の集団に対し、お参りに来た現地住民を装った部隊員2名が接触。彼らと口論に発展した際、部隊員を突き飛ばしたために垣根の一部を破損させた。突き飛ばされた部隊員は軽傷であった。垣根は即時の応急修理の後、後日部隊員6名と近隣住民4名で修繕が行われた。修繕作業の際、上記部隊員は不注意に資材を持ち上げようとして、急性腰痛を発症させた。
大学生は追跡調査の結果、全員が独立に交通事故・喧嘩・強盗など様々な理由で重傷を負っており、周囲の人物から「祟り」だと噂されていることが判明した。これらの事象はインシデントから4か月以内に発生しているが、因果関係は立証されていない。
また、このインシデント以降、旅行者等(いわゆる「よそ者」と呼ばれる人間)への地域住民の対応が明確に悪化していることが、連絡員として村を訪れたエージェントから指摘された。因果関係は調査中である。
SCP‐4624‐JP‑βは2024年8月から2025年3月にかけて発生した連続猟奇殺人事件に指定されています。最初の殺人事件こそ完全に非異常なものでしたが、以降2025年3月までの約半年間で計7件・20人の猟奇的・異常殺人を実行し、最後の襲撃で被害者が行った防衛行為のために犯人が死亡したことで事件は終結しました。事件後の家宅捜索において異常な儀式の痕跡が発見されたため、最終的に財団の介入が行われました。現在、犯人であるSCP‐4624‐JP‐β‑0aの居室はSCP‐4624対象であることが確認されています。
場所: 日本国内、合計8か所。およびSCP‐4624‐JP‐β‑0(現: 一時サイト‐4624‐JP‑β)
収容クラス(β‑0および関連物品): Safe / Argus(アーカイブ済)
人物: 淤上 ██ (SCP‐4624‐JP‐β‑0a)、新院 ゆい (β‑1a)、他20名
事件概要: SCP‐4624‐JP‑βは連続する8件の殺人事件 (β‑1 ~ ‑8) から構成されています。β‑1は異常性の痕跡が見られず、動機から実行に至るまで全て非異常に説明が可能です。β‑2 ~ ‑8には異常な実行手段、隠蔽手段あるいは異常な儀式の痕跡のいずれかもしくは複数が確認されています。
β‑0aは学生時代、後にβ‑1aの夫となる新院 ██ (β‑1b) に対してつきまとい等を行い、警察から接近禁止命令を受けていました。その後事件β‑1に至るまで、少なくとも警察の記録およびβ‑1a, 1bの個人的記録に残されるような挙動を表面上は見せていませんでした。
しかし事件後、β‑0aの居住地(SCP‐4624‐JP‐β‑0、埼玉県██市)から回収された物品にはβ‑1bの盗撮写真の他、汚損されたβ‑1aの盗撮写真、不明な(しかし非異常と考えられる)方法で採集されたβ‑1bの毛髪類の標本、様々な方法で殺害されたβ‑1aの姿をした、おそらく外見的にβ‑1aの行動を模倣するよう奇跡術的に構成されていた人形、おそらく監視用と考えられる異常なアプリケーションを複数保有したノートパソコン、それによる虚実入り混じったβ‑1aおよび‑1bの行動記録などが存在しており、両者への過度な執着および依存的な感情は継続・強化されていたと考えられています。
警察の禁止命令をβ‑0aが受けてから4年後、β‑1aおよび‑1bは転勤により東大阪市に移住し、さらに2年後の2024年8月3日深夜に、β‑0aはβ‑1aを大阪市の路上で襲撃、持参した短刀でβ‑1aを滅多刺しにして逃走、後にβ‑1aは死亡しました(事件β‑1)。
以降、β‑0aは約1ヶ月ごとに異常な襲撃・殺人事件を合計7件発生させました(事件β‑2 ~ ‑8)が、8件の殺人はその事件現場や被害者の属性に共通点や関連性がなく、当初無差別に犯行が行われているものと考えられていました。β‑0の調査の結果、何らかの異常な論理・共通性に基づいて被害者が選択されていたことが示唆されていますが、詳細は依然として特定されていません。
事件β‑1を除く7件の殺人事件で観察された異常な現象あるいは痕跡は以下の通りです。
- 異常な場所移動(事件β‑4, 5, 6, 7, 8)
- β‑2 ~ ‑7の各事件は日本各地の様々な都市圏で発生していますが、特に事件β‑4以降の5件についてはβ‑0aが居住地から異動した証拠が存在せず、目撃証言が全て正しいと仮定した場合、最大でも25分以内に各都市間の移動を完了している必要があることが判明しています。有力な証拠のみに依拠した場合でも、福岡市までの870~880kmを90分以内に移動しており、おそらくほぼ一瞬で転移しているものと考えられています。
- 異常な障害方法(事件β‑3)
- 事件β‑3の被害者は背後からバットのようなもので殴られた後、全身を同様にして殴られたためにショック死していましたが、加えて男性器や手の指のいくつかが長軸方向に圧壊された状態で発見されています。少なくともスポーツの経験のない標準的な20代女性に前述のような傷害行為は困難であり、加えて、骨を含めた手指の圧壊は特殊な器具や状況なしに標準的な民間人には実行不可能です。β‑0aが専用の器具を開発・運搬していた痕跡は発見されていません。
- 異常な死体(事件β‑5, 6)
- 事件β‑5, 6においては、犠牲者は全身に直径5mm前後の穿孔を空けられ、さらに体表面のランダムな部位が視認をトリガーとする異常ミームあるいは反ミーム作用を持つ認識災害因子と化しています。それぞれの効果に犠牲者ごとの共通点はほとんど存在しませんでしたが、全員に共通して発生した効果として「対象部位の肉体が爆発し、骨やその他の内臓が野ざらしにされている感覚を覚える」「対象部位の様子を認識できず、その部位の名称が認識できなくなる代わりに、何者かから拒絶され、睨まれているような感覚を覚える」「太い針のようなものが対象部位を断続的に突き刺し、貫通し続けている感覚を覚える」が存在します。これらの認識災害が全員に発生している理由は不明です。
- 異常な死体隠蔽(事件β‑2, 3, 7)
- 事件β‑2, 3において、被害者の遺体は事件現場から持ち去られ、近隣の建造物の隙間に押し込められていました。この際、死体は中程度の反ミーム性を発現した状態になっており、死体そのものの状態が非異常であるにも関わらず、誰もそれを関知できなかったことが確認されています。また、回収を担当した機動部隊員は「近付きたくないような雰囲気を強く感じた」という感想を述べ、これも反ミーム性由来の認識災害であると推測されています。事件β‑7では、後述の儀式の痕跡として発見された多量の血液および体液、儀式を実行した場所の地下15m地点から発見された脳を含む神経組織群を除いて、被害者のそれ以外の組織全てが現在に至るまで発見・回収されていません。非異常・超常・奇跡術・霊能力といった警察および財団の持つあらゆる手段を以てしてもその痕跡すら発見されておらず、有力な仮説として異空間あるいは高次次元へ持ち去られていると考えられています。
- 異常な儀式(事件β‑4, 5, 6, 7)
- 事件β‑4以降、事件現場付近では奇跡術および未知の形式のハイブリッドによる、効果不明の儀式の痕跡が確認されるようになりました。既知である部分の解析では少なくとも「献贄」「上昇」「完成」「収斂」「46656」「照射」「球体」「錐体」といった要素が含まれていることが判明していますが、全体としての目的は依然として不明です。
2025年3月24日、β‑0aは神奈川県██市で元自衛官の猪匹 隼人 (β‑8a)を襲撃した際、抵抗したβ‑8aと共に不明な方法で死亡しました(事件β‑8)。β‑0aの手首にある圧迫痕や事件現場の状況などから、β‑0aは未知の異常武器を手に持った状態でβ‑8aを襲撃し、抵抗を受けたものと考えられています。最終的な結果としてβ‑8aは胸部を中心に、事件β‑5, 6の被害者のものと類似する多数の穿孔による失血死、β‑0aは心臓に穿孔を空けられたことによる心停止によって死亡したと推定されています。
遺体発見時点で、β‑0aの体背面には28か所にわたって、射創に類似した、体内から突き破られたような創傷が確認されました。これにも関わらず体背面側で出血は見られず、また皮膚組織以外にこれらの傷と一貫性を持った痕跡は存在しませんでした。体背面側の創傷がどのように発生したかは現時点でも未解明です。
補遺 - β‑0収容プロトコル: SCP‐4624‐JP‐β‑0を含むアパートは財団によって買収され、一時サイト‐4624JP‑βに指定されています。事件の事後調査のためSCP‐4624‐JP‐β‑0は当時の状態が保存されていますが、将来にわたるリスク防止のために、4624‑JP対象から除外されるための工事が予定されています。これは事件に関する調査研究の完了と、判明している無害化リスクが十分に低下したことの確認をもって実行されます。
SCP‐4624‐JP‐β‑0内部に存在した物品のうち、非異常な物は警視庁の管轄・管理下にあります(このため部分的なArgusクラスが当番号には指定されています)。保管期間の終了後、対象物品は一時サイト‐4624JP‑βに移管される予定です。
SCP‐4624‐JP‑γは高知県高知市で発見された、遅くとも鎌倉時代中期に書かれたと推定される4巻の写本です。著者は不明ですが、京都からの流刑者、あるいはそれに随行した畿内出身の人物であると考えられています。内容は周辺地域の習俗や自然について書かれた章と、著者自身の日記のような断章が混在した随筆であり、大半の内容は非異常です。このうち「さいわい」と題された章の内容がSCP‐4624‑JPを指していると考えられており、また記された儀式の手順や結果は、書かれている記述に従うならば、異常なものになります。
特別収容プロトコル: SCP‐4624‐JP‑γは標準的・機密古文書の収容・維持プロトコルが適用されます。特に物理的な取り扱いについては一般的な古文書に準拠するため、原本の取り扱いは専門職員に限定されます。
説明: SCP‐4624‐JP‑γは高知県高知市で発見された、遅くとも鎌倉時代中期に書かれたと推定される4巻の写本です。物質的な異常および認識災害などの情報異常は存在していないことが確認されています。内容は大きく分類して、周辺地域の習俗および四国山地の自然について記録されている章と、著者自身の日記と考えられる断章の2つから構成されています。著者は不明ですが、京都からの流刑者、あるいはそれに随行した畿内出身の人物と考えられており、少ないながらも京や浪速に関する記述が存在することからも伺えます。
SCP‐4624‐JP‑γの内容のうち、「さいわい」と題された章には未知の異常儀式について記されています。記されている内容によると、この儀式は嶺北・仁淀川地域で広く知られ、また「神仏に祈れどもかひなき程の大事」に見舞われた際の最後の拠り所として、同地域でしばしば実行されていました。儀式の主要な効果としては「誰とも知れぬ外つ神を呼び出し、何様とも知れぬ神験を得る」としており、無作為な神格に願いを聞き届けてもらうものと推測されます。
SCP‐4624‐JP‑γに記されている儀式の手順は以下の通りです。
- 土地を四角く区切り、四隅に榊を立てる。
- 区切られた内部に祠を置く。このとき、御扉から内部が見えないようにする。木材がない場合などは、石の鉢を伏せて代わりとしてもよい。
- 一辺に鳥居か、その代わりとなる2本の柱を立て、その間以外の四辺を杭を打つなどして塞ぐ。
- 祈るべき人々の願いを揃え、それが成就すると固く信じる。
- 祠の前で一心に祈り続ける。
この儀式は成功さえすれば必ず願った内容の成就が行われる代わりに、参加者は呼び出した神格の影響を受けてその後の行動や性格が変わってしまうことが示唆されており、著者自身も「いくら八方行き詰まったからといって、このような神任せ運任せに頼るべきではない」と結んでいます。
SCP‐4624‐JP‑γの発見後、‑α実例との関連性に着目した研究員によって追加調査が実施され、各‑α実例が「さいわい」と記された通りの儀式の跡地であることと、高知県嶺北・仁淀川地域を中心に四国各地で‑α実例あるいはそれを基とした寺社が多数存在することが確認されました。
推測されている効果の不確定性から日本全国を対象に初回のスクリーニングが行われました。この時点では全国の祠や神社等、土地に対する調査のみが行われていましたが、SCP‐4624‑JP‐β‑0が同様にその実例であることが偶発的に発覚し、4624‑JP対象の適用範囲が当初の想定より広いことを実証する結果になりました。
効果: 実証実験により、4624‑JP対象の発生およびSCP‐4624‐JP‑γで記載された儀式によって、以下のメカニズムが動作することが判明しています。
- 十分なアキヴァ放射と儀式による奇跡術的効果により、祭壇に用意された空間内にピスティファージ実体が発生します。このピスティファージ実体はレベルⅠもしくはそれ以下の強度しか持たず、単体では何の能力も示さないと推定されています。
- ピスティファージ実体を介して祠の内部が不明な形而上空間、超次元空間、あるいは霊的空間と考えられる超現実空間と接続し、無作為な神格と儀式参加者との霊的なバイパスを形成します。ほとんどの儀式要素に対して接続される神格との有意な関連性が構築されることは無く、このために呼び出す神格を制御することは困難ないし不可能と考えられています。
- 霊的バイパスのために、儀式参加者は当該神格の使徒あるいは神遣のような役割を負い、その権能を代理的に行使することが(行使可能な能力の個人差はあるものの)可能となります。
- 同時に、霊的バイパスのために、儀式参加者は当該神格の価値観や思考様式から侵蝕を受けます。これは当初の祈願内容が成就しても継続し、おそらく半永久的な効果だと推測されています。
成功した実証実験の参加者総計24名(下席研究員4名、上席研究員2名を含む)も同様にこの影響下に置かれており、また複数回にわたるインタビューの結果いずれも未知の神格であると推定されました。十分な事前評価によって財団や合意的現実への影響は将来に亘って最小限に抑えられましたが、儀式終了後の実験チャンバー撤収・祭壇移設作業は当初の想定を大幅に超える工事となり、また実行には当該神格の協力が不可欠と結論づけられました。
従って、接続された神格が敵対的であった場合はその移設が不可能であることが強く予想されます。また、偶発・故意によらずこれらの4624‑JP対象や祭壇が完全に破壊された場合、SCP‐4624‐JP‑α関連記録から推定される「祟り」は財団の許容損害を大幅に超過する可能性があります。
財団データベースに登録されている異常神格あるいはピスティファージ実体に限定しても人類および合意的現実への深刻な危害が予想されるものが複数存在するため、オブジェクト自体の無作為性と併せて、SCP‐4624‑JPは如何なる形態での利用も禁止されています。
補遺 - インシデント4624‐JP‐δ‑0:
インシデント4624‐JP‐δ‑0はSCP‐4624‐JP‑α実例を捜索するために行われた日本全国の寺社仏閣に対するスクリーニング検査が行われた際、非定型的な4624‑JP対象をサイト‐8100で発見した事象に指定されています。これにより発見された4624‑JP対象の特別な分類としてSCP‐4624‐JP‑δが指定されました。保安上の理由から、詳細はサイト‐8100クリアランスもしくはレベル5職員にしか開示されません。
インシデント4624‐JP‐δ‑0を受けて、財団日本支部の全ての建物が追加スクリーニング検査の対象となりました。ほとんどは外形上の理由から対象に除外され、対象の可能性がある領域は各サイトの0号会議室に限定されていることが判明しましたが、いずれも有意量のアキヴァ放射およびピスティファージ実体は観測されず、そのため4624‑JP対象ではありませんでした。リスク回避の観点からは非対象化が望まれますが、保安・格式・儀式などの様々な要請からこれらの改装計画は完了していません。
SCP‐4624‐JP‑δ各実例の存在から、財団内にδ実例が他にも存在することが確実視されており、日本支部理事会は本部評議会と協議を開始しています。推定される信仰の蓄積から、これが不随意に破壊された際の影響は予測不可能です。
サイト‐8100で発見された各δ実例と接続している神格実体についての調査および影響からの回復に向けての計画が進行中です。以下の書類は完了済の調査に関するものであり、書類内のクリアランスレベルに関わらずレベル4公開指定を受けています。
序: インシデント4624‐JP‐δ‑0により、サイト‐8100所属全職員に対する迅速な影響調査の必要が発生し、日本支部理事 “鵺” および斎宮所属神官・職員により初期調査が行われた。初期調査の結果、日本支部理事全員に不審な霊的バイパスの接続が無いことが確認された。本調査はこれに引き続いて、各実例に接続されている神格実体 (δ神格実体) の性質や素性を明らかにするためのものである。
実行方式: 斎宮所属神官により、各実例にて当該神格実体からの神託を伺う形にて実行される。神官は事後評価セッションで対象神格に対する主観的な印象を記録される。
結果(抜粋):
注記: サイト‐8100に関する機密の担保のため、重要度ないし危険度の低いものは記載していない。
| 番号 |
権能 |
神官の印象 |
| δ-01 |
制度、進行、平常 |
巨大な機械に面した時と似た印象。個性らしい個性を感じず、非常に希薄。 |
| δ-██ |
[秘匿] |
応答は円滑だが、内容は[秘匿][拒否][受領]などしかなく、必要以上の交流をしてこない様子が見られる。 |
| δ-██ |
憤怒、(おそらく特定の)火山 |
火山そのものであると言えるほど、ほぼ常時熱と熱波を向けられている感覚があった。実際の熱波であればおそらく死んでいた。 |
| δ-██ |
(推定)反統制 |
巨大な斥力の塊のよう。[情報災害]という言葉を受けただけだが、その結果[情報災害]。 |
| δ-██ |
«不敬» |
(調査時δ-██実例内にいた人員が即時に死亡したため、データ無し) |
| δ-██ |
(不明な名称または概念) |
不明。発音不可能。解釈不可能。 |
評価: SCP‐4624‐JP‑δ実例に接続した神格実体のうち、約██%は低危険度であることが確認された。不明あるいは不明瞭であった神格についての調査は継続される。
序: SCP‐4624‐JP‑δ神格実体それぞれに対する初期調査が終了し、それによって各実体の危険度について初期評価が完了した。既知のKeter実体に該当するような存在はいなかったが、潜在的に危険な実体を含め、調査と評価は継続される。一方で、各δ神格実体の性質が明らかになったため、職員に対する影響調査および影響されている神格の特定が可能となった。本調査はサイト‐8100全職員に対して4624‐JP‑δ神格実体からの影響の有無および影響実体の特定を行うものである。
調査対象: 以下で分類されるサイト‐8100所属全職員。
- 機動部隊い‑0 (“零号部隊”)
- 施設管理職員
- 情報室 (RAISA分室)
[以下機密のため非開示]
結果 (概要): 前述の分類ごとに状況の概要を示す。
- 機動部隊い‑0 (“零号部隊”)
- 各実例ごとに1~4名の被影響者が存在したが、分隊長・隊長は影響を受けていないことが確認された。被影響部隊員は対応するδ実例の警備とδ神格実体との連絡に割当を変更される。
- 施設管理職員
- 清掃部門職員24名、総務職員6名、その他██名に影響が確認され、対象職員の██%以上に影響が確認された。強い影響が見られた職員2名は一部の機密業務に携わることを今後拒否される。また、影響緩和のために職員の増員が倫理委員会・日本支部理事合同会議により決定された。
- 情報室 (RAISA分室)
- δ実体からの影響は確認されなかったが、未知の4624‑JP対象を経由した影響が4名に確認された。
- [以下機密のため非開示]
評価: 全数調査の結果、サイト‐8100職員の約██%に影響が及ぼされていたことが確認された。これは最悪の予想からは遠く及ばないが、当初の推定値からは10ポイント以上多く、事態が想定より悪いことを示している。対象実体との協力体制あるいは均衡状態の構築は現在サイト‐8100の最優先任務に位置づけられるべきである。
情報室職員を通して発覚した未知のδ神格実体は、本部あるいはRAISA本部における4624‑JP対象の存在を強く示唆している。いずれの場合においても、機密保持や財団全体の運営において大きな影響が予想され、また既に影響を与えられている可能性が否定できない。
追記: あなたを含むレベル4以上の全職員に対する影響調査は完了しています。結果は[SCATTERED]。[CONCEALED][PROFANED]
質問者: δ‑██実体からの言伝ということを伺いましたが、まず私は何とお呼び奉れば良ろしいでしょうか?
回答者: 畏れ多いため私からも申し上げることは叶いません。高きに御座すことを斎宮様が存じておられるなら、思許されているものをお使いになることが最も良いことになろうかと存じます。
質問者: 承りました。
回答者: それでは、御言葉を申し上げます。「万神殿のもと居るより下に建つるを禁ずる。其悉く不敬なり。」
[約3.5秒の空白]
質問者: 悉く、ですか。
回答者: はい。「汝等より乞ひて社へ招きたるに、汝は社を整へ、吾が言寄ことよする徴をその意こころのままに用ふべし。然るに、何ぞ社を館たちより遷うつしもとより下へと建てん」との言です。
[6秒間の空白]
質問者: 承りました。計画の修正を仕ります。
後記: 本来の機能である会議室の回復のため進行していたサイト‐8100‐ΠΘはその計画の大幅な変更が指示されました。計画の進捗は斎宮または日本支部理事会に問い合わせてください。
汝等望みて万神殿を建つれば人の知るべく標を立つべし。
記録・情報保安管理局 (RAISA) より緊急通達
進行中の事案/計画に関する高機密資料の一部が、不明な経路・未知の手段で本来のクリアランス外 (レベル4) に公開されている事案が確認されています。許可なく開示されている書類が表示・取得された場合、規定の方針に従いRAISAおよびサイト管理官に通報してください。書類は規定の手続き後、速やかに破棄してください。
万神殿ことサイト‐8100‐ΠΘが神殿として広く公開され、確保収容保護のために身を捧ぐる諸衆が自由に訪れられるようになることを方〻はお望みになられています。
インシデントの隠匿は財団の、ひいては正常性の安全に対する深刻な脅威です。迅速に通報を行ってください。機密情報には(例え後に機密解除されるとしても)現在のあなたが知るべきでない情報が存在する可能性があります。報告後は速やかに書類を破棄し、情報保健部に面会を申請してください。
Ⅰ. 建設予定地の変更について
サイト‐8100‐ΠΘの建設予定地について、δ‑██実体からの託宣により、当初の候補地であった斎宮社の外苑森林地帯、およびサイト‐8100新規地下階での建設は続行不可能となりました。δ‑██実体および他のδ神格実体との協議ないし託宣により、δ‑██実例の所在するサイト‐8100中央棟6階のほぼ全域を中心に使用するものが現在唯一の候補地です。このため、本文書の以降の項目はこの前提に拠って再構成されました。
Ⅱ. 各神殿の構造要件について (抜粋)
移転後のδ神格実体を祭祀する様式は、そのほとんどが日本、古代中国、インド、古代ローマ、メソアメリカなどの伝統的な様式、あるいはより現代的な構造物で代替可能なことが確認されました。非典型的な構成の要求があったδ神格実体とその要件、実装に際して現在判明している懸念事項は以下の通りです。
| 番号 |
要件・備考 |
| δ-01 |
δ‑01実例に設置されていた独立通信・会議補助システムを移設、サイト‐8100‐ΠΘ内の環境維持システムを独立構築し、一般職員用システム室と併せて5階に設置。情報室職員の利便性を考慮し、████████████████████████。 |
| δ-██ |
[秘匿]。情報はδ‑██被影響職員、日本支部理事および特別に任命された若干名の特務職員にのみ共有される。 |
| δ-██ |
1000℃前後の熱源ないし炉。物理的条件から中央棟外部または地下への移設を調整中であったが、後述 (Ⅲ節) のインシデントにより計画は白紙状態となっている。 |
| δ-██ |
施工後、δ‑██実体自身による改変が予告されている。 |
| δ-██ |
δ‑██実例の現状維持。聖域化施工のみ実施予定。 |
| δ-██ |
意図不明の298項目からなる手順書を受領。別紙参照。 |
Ⅲ. 斎宮外苑における異常地殻活動について
当初サイト‐8100‐ΠΘの建設予定地だった斎宮外苑内の区画において、δ‑██被影響職員による無断の区画占拠およびδ‑██神格実体による異常な造山活動が実行されました。この結果サイト‐8100周辺で小規模な地震活動が60時間にわたり断続的に発生し、15名の負傷者と財団資産に軽微ながら被害が発生しました。斎宮外苑には結果として直径50mの火口を持つ小規模な火山が形成されました。この火山には規模に相反する異常な自己維持作用を保持していると推測されており、調査が進行中です。
Ⅳ. 旗浦財務副長の死亡について
サイト‐8100財務副長であった旗浦祐が財務部内で不審死していた事案について、死亡推定時刻範囲にサイト‐8100および周辺地域にいた可能性のある全職員の行状確認が完了しました。財務副長として予算の観点からサイト‐8100‐ΠΘの予定地移転を強硬に反対していたことから、多くの可能性が当初より公然と疑われていましたが、該当する全職員にその実行が物理的に不可能であり、また心理評価においても全員非異常の範囲内に収まっており、単一の利害衝突・意見衝突で殺害を実行する可能性はないとそれぞれ結論づけられています。
旗浦財務副長の法医学的分析と併せて、現在のところは何らかの異常な遠隔作用または未知の分散型情報災害が有力視されています。δ神格実体がこれを実行した表明は報告時点で受け取っておらず、また被影響職員でこれに対して非典型的な反応を起こした者はいませんでした。
この火は神の光であり、民の怒りであり、ΡΥΑΞの顕現である。
SCP‐4624‐JP‑δに関連する情報の多くはレベル5クリアランスないし専用クリアランスが指定されています。自身のクリアランスで扱う情報を鑑みれば、進行中の案件に関する不確定な情報が外部に流出する危険性および影響は理解できるでしょう。
本来開示されるべきでない書類を本報告書群に発見した場合、RAISA通達の通り直ちにRAISAおよびサイト管理者への通報を実施してください。また、被害確認のために関連ファイルを確認することは不要です。
命により、高き方に代わってこの文章を読まれる皆様に申し上げます。
方かた〻がたは我々のためにその志と願いとを聞し召され、寄り集われました。
我々の志とは言わずもがな「確保、収容、保護」であり、願いとは理念の達成のために各々が思う実現の手段です。方〻は我々が求めるもののために力の一片を授けられます。これは方〻のご威光のわずかな現れにして、成就を助ける手立てをするに過ぎないものです。
すなわち、方〻の御力は我々の大願を助け、またそれは我々が願ったからこそ有るのです。理念にこそ思召は沿い、その矩を踰えることはありません。況や此程の助力を無下にすることなど有りましょうか。
此様な故により、方〻は自らが財団に広く聞こえ、またその力を求めた我々に遍く授けることをお望みになられました。そして既にその一片を預かる手前共には、然様な思召を広く知らしめ、彼方の望みを速やかに達せられることをお望みになられました。
手前共は財団の忠実なる一員として、また方〻のしるしを預かる者共として、為すべきことを為していることを宣誓します。我々は至って正気であり、職務に忠実であり、また拝命の責務を果たしています。
[聖ならしめ][Sanctify]
[導きたれ][Conduce]
[純ならしめ][Purify]
斎宮の名代として、財団日本支部理事 “鵺” より申し上げます。
既に方〻のご意向として知らしめられた職員も居られるかと思いますが、サイト‐8100ではインシデント4624‐JP‐δ‑0より続く一連の事象の解決策として大規模なサイト再編・改築作業が進行しています。
ここに宣言しておきますが、これは財団、あるいは日本支部の方針転換ではありません。財団はその目的、方針、手段、倫理、体制に、本件に沿ったいかなる変更も加えられません。変更はサイト‐8100の内部に原則留め置かれ、SCP‐4624‐JP‑δ神格実体は今後、新設されるサイト‐8100‐ΠΘの管轄となります。
サイト‐8100‐ΠΘは4624‐JP‑δ神格実体の祭祀および託宣を主として、また万神殿としてレベル4以下の職員を含めて入出場自由の施設になる予定です。サイト‐8100における安全性および機密性などの要件から、ほとんどの仕様は現時点でも未決定であり、そのために (既にSCP‐4624‑JPファイル内に流出した情報も含めて) 関連する情報は標準手続としてレベル5機密が指定されます。この措置は今後も継続されます。
サイト‐8100はこれらの再編・改築作業のために現在、大幅な立ち入り制限が実施されています。いくつかの代替可能な機能は災害時手順を準用し、規定のサイト群により執行の代理が行われています。言うまでもありませんが、本件の全作業工程は最大の緊急度で実施されています。
インシデント発生時からの経緯およびインシデント自体の性質のため、これらの作業は斎宮所属職員によって統括管理されています。各サイト管理官等からの必要な連絡は全て斎宮を経由する専用経路によって回付されます。
本通達を以て、財団日本支部の全サイトにI4級警戒司令を発令します。サイト管理官を含むレベル4職員は新たなSCP‐4624‑JP実例およびその潜在的候補が新規に発生しないよう、サイト内の警戒および保安体制を強化してください。一部の情報はレベル3以下に解除されます。
財団あるいはその構成員に対する干渉源がこれ以上増える/増え続けることは、物理・情報両面の安全性に対する重大なリスクであり、財団はこれを許容できません。また、これについてはδ神格実体群としても同様に許容できないと仰せになられました。
信念は行動の大きな支柱であり、擾乱を防ぐ盾であり、しかし同時に我々を覆う不変の天蓋です。財団職員には理念と目標への忠誠と同時に、異常に対峙するためのあらゆる実践が要求されます。これは物理的・超常的なものに限らず、心理的・認知的なものも含むことを今一度思い出してください。
我々は我々の成すべきことのため、為すべきことに集中してください。
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旗浦財務副長の死亡事案について、何らかの声明あるいは情報を提示したδ神格実体はいませんでした。加えて、いくつかの神格実体については、こちらから何かしらを尋ねても回答がありませんでした。実際に関連がないという可能性も十分にありはしますが、これほど何の情報も得られていないというのも不自然に思います。
少なくとも私ひとりが疑っていても罰は当たらないのではないでしょうか。
斎宮