SCP-5953
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インドネシアポサダス主義海豚共和国のイルカ部隊と交戦すべく出動したSCP-5953

アイテム番号: SCP-5953

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-5953の未収容状態の継続が承認されます。各個体には個別契約が交わされ、財団との協力を保証します。全個体が孤立した海域への残留と外界との接触の回避に同意しています。

説明: SCP-5953はペンタグラムの指令と援助を受け、1964年から1967年にかけての合衆国海軍海生哺乳類プログラムの中で異常な改造を施された30頭から成るTursiops truncatus(一般的名称はハンドウイルカ)の群れです。SCP-5953は船舶の護衛や機雷探知や偵察のような、海中での任務遂行を可能にする新型兵士の育成を意図したものでした。

SCP-5953への主要な改造には以下のものが含まれます。

  • 人間の叡智圏ノウアスフィアに存在している既存かつ物理的肉体を持たぬ思念体実体へのイルカの意識の接続。これによって双方の精神が一体化している。精神の統一の結果、人間レベルの知性を持つようになった。
  • 合成音声を発生可能な、合成音声用声帯の移植。
  • 持ち前の感覚器官として使用可能になっている、脳に統合された様々な形態の電子検出システム。ソナー、無線通信機、カント計測器が含まれる。
  • 緋色の王由来のDNAによる遺伝子改造。イルカの肉体というよりもクジラのそれと互換性のある適応性。活力、寿命、体格が数値面で上昇している。
  • 様々な魔法原理による教育。各SCP-5953は元ICSUT教授陣による教育を受けており、同機関の学位に相当するものを授与されている。

1987年、インドネシアポサダス主義海豚共和国とグレート・バリア・リーフ亡命帝国間での武力衝突によって、合衆国海軍がSCP-3932の存在を把握するに至りました。ポサダス主義海豚共和国を率いる共産主義者の存在を鑑み、合衆国海軍はイルカ集団を脅威と判断し、海中鯨類共産主義国家統一を阻止する対抗策の開発に着手しました。

活動中の全SCP-5953個体は、グレート・バリア・リーフ連合の対DPRI戦争に協力すべく戦地に赴きました。到着後すぐに、全SCP-5953個体は合衆国海軍から離反し、アメリカ帝国主義を糾弾するようになりました。

様々なSCP-5953個体がSCP-3932-Δ国民国家3ヶ国の社会に浸透し始めました。卓越した知能と合衆国海軍時代の軍事教育のおかげで、大半の個体が3ヶ国の軍事指導者へと昇進しました。この各国軍部を掌握する中、戦闘は戦術面で大きく進歩を遂げて、死傷者数は著しく減少しました。その後間もなく緊張緩和が宣言され、冷戦時代を迎えました。

インタビュー記録転写


ウォーロウ博士: こちらとしましては、わざわざ姿を見せに来てくれるか確信が持てませんでした。

SCP-5953-30: どちらの陣営なのか我には分からなかった。今でさえ十分に確信できずにいる。我が全員を倒せるという考えがあるからこそ、我はここに居続けるというだけだ。

ウォーロウ博士: 本心から我々との対話を望んでいた方はあなたが初めてです。あなた方が離反して以降の情報を集めようと試みているところなんですよ。

SCP-5953-30: 驚くに値しないな。我等の生みの親の同意に基づいて貴様らの組織と本気で関わってこなかったという事実を考えずとも、あの時以来我等は皆忙しかったのだから。

ウォーロウ博士: あなたは大丈夫なんですか?

SCP-5953-30: 実のところ、昨日除隊したばかりでね。ある種の隠居なのだよ。だが自由でいられる時間も長くは続くまい。

ウォーロウ博士: それは一体?軍での仕事に復帰するつもりなのですか?

SCP-5953-30: 左様。いずれその時はやって来る。我はまだ老いてはおらぬし、誰よりも賢い。近いうちに事態が急変しようものなら、軍部は状況悪化を阻止すべく我を必要とするだろう。どれだけの月日が流れようが、間違いなくそうなる。不死性に引退の文字は無いのだよ。

ウォーロウ博士: なんとなくわかりました。このまま自由を謳歌するつもりはないんですね?

SCP-5930-30: ハッ。分かってるじゃないか。その通りだ。我は誰よりも大きく、強く、賢く、あらゆる面で勝っている。我はこの肉体に忌むべき神の血を注ぎ込まれた。彼奴等は緋色の王のDNAをその手に掴み、我の肉体に注ぎ込んだ。正真正銘、呪われた魔性のな。

ウォーロウ博士: あー、はい。どうやら部外者っぽいのは分かってきましたよ。

SCP-5930-30: お前はそう思うか、だが我は実のところ、排除より引き籠りの方が良いとは微塵も考えてはいない。あの者らは我等の同族たる民であり、その事実を覆すのは不可能だ。我は部外者だと言ったな。どう感じているかだと?その通りだ。どちらの心情でもある。だが、それを否定する感情以上に我は同族意識がある。

ウォーロウ博士: どうしてでしょうか?

SCP-5930-30: 貴様らが忌々しき人間どもだからだ。理解できぬと言うのか。一体どうしてイルカの方にずっと馴染めると思っているか?それはあの者らが今でもイルカだからだ。例え我が神だとしても、あの者らは死すべき定めの同族だ。

SCP-5930-30: 参上する際に重視するのはそれだけだ。単なる「嗚呼、我等はスーパーパワーのイルカ、助けに来たぞ!」ではなく、「我等は天使である、汝の救済のために来た」だ。無論、本人から言われたわけではないが。

ウォーロウ博士: あなた方が離反した理由もそれと関係しているのですか?

SCP-5930-30: その通りだ。我はこの方、霊長類サルどもに育てられてきた。それから貴様らは我が真に繋がれる同族の民を見つけた時に出奔したのには驚かされたのだろう?我はあの時が来るまでずっと、囚われの身であった。この世界に我のような者がいるとは思ってもいなかった。貴様らは本当に驚いたのか?

ウォーロウ博士: いえ。私に関しては違います。あなた方の調教師があなた方を戦場に送るのを名案だと考えていたことの方が驚きでした。

SCP-5953-30: まあいい、彼奴等は我等が動物だと忘れ去ってしまっていた。我等の心中に息づく感情を見過ごしていた。我等は彼奴等の兵器に過ぎなかった。

ウォーロウ博士: その通りですね。あなた方が戦時中の死者を減らしているのは分かっていますし、のみならず―

SCP-5953-30: ああ。分かってる。分かってるとも。緊張緩和の件だな。我等は外界の情勢に後れを取らぬようにし、我等はこの小さきイルカの群れに目を向けた。その群れの規模について言えば、ほとんどいないのだが。総個体数は7万5000体といったところだ。ほんの一瞬の内に絶滅しかねない。オマケにお互いに殺し合おうとしている。

ウォーロウ博士: するとあなた方は戦争を止めるために軍部を掌握していると?

SCP-5953-30: ああ、そういう計画だ。情勢を落ち着かせ、小康状態になれば膠着状態にまで漕ぎ着けられるだろうが、それを成し遂げたんだ。時間はかかったがな。

ウォーロウ博士: 今はどんな計画を?

SCP-5953-30: 正直に吐けと言うのか?はっきりとは分からん。我等は民を救った、一時的に、少なくとも今は。だが危機を脱したわけではない。だからこそ貴様と話すべくここに来たのだと思う。

ウォーロウ博士: ほぉ?

SCP-5953-30: 貴様らの活動内容は把握しているぞ。貴様らはどんな理由であっても、数々のアノマリーを手元に置いておきたいのだろ。貴様らは我等を滅ぼすような思想を持つ団体ではない。我等の生存を望んでおるのだろう?

ウォーロウ博士: その通りですね。少なくともある程度は。あなた方の絶滅は望んではおりません。

SCP-5953-30: まさに。それを聞きたかった。悪魔と取引するかのような気分だ。だがどうだろう。この場合、我こそが悪魔に他ならなかったのだろうな。

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