| アイテム番号: SCP-6687 | Level 3/6687 |
| オブジェクトクラス: Keter | Confidential |
SCP-6687を描写しているSCP-6687-A実例のカバー。
特別収容プロトコル: 異常性の詳細がより良く理解されるまで、SCP-6687は屋外の収容筐体に収容されます。SCP-6687の元となった彫刻を発見する努力が進められています。
補遺6687-2の事件以降、SCP-6687の初期収容後に生成された全てのSCP-6687-A実例は、一般公開された状態を維持することになりました。オンラインで公的な声明を発する必要が生じた場合は、財団エージェントがSCP-6687の仮名を名乗るものとします。民間人がSCP-6687との接触を試みるのを防ぐために、この仮名には正体不明性と隠遁の強いモチーフが付加されています。
音楽配信サービスのアルゴリズムには、SCP-6687-A実例を推奨楽曲として取り上げないようにバイアスをかける修正が施されています。この措置がSCP-6687の挙動を変化させた場合、バイアスは直ちに除去されます。SCP-6687-A実例の異常性の効力を減退させるように設計された微弱なミーム的音調が、自動的にSCP-6687-A実例に挿入されます。SCP-6687-Aの残留異常性について民間人から問い合わせがあった場合、それらの影響は楽曲の質によるものだとするカバーストーリーで対応します。
4番目のSCP-6687-A実例、“【Crimson Night of Memory Reincarnation Hymn 柱さん】”のアルバムアート。
説明: SCP-6687は大理石彫刻の頭部の大きな断片です。この彫刻の他の部分はまだ発見されていません。およそ1ヶ月に1回、現在のところ不明な手段を通して、SCP-6687はアルバム (SCP-6687-Aと指定) を作曲し、“【SHATTERFACE】”という仮名を用いて、人気の高い各種音楽配信サービスに公開します。
SCP-6687-A実例は独自の音声とサンプリングされた音声を継ぎ合わせた構成になっており、音声サンプルは多種多様なソースから収集されています。これらは “ヴェイパーウェイヴ” ジャンル1、もしくはそのサブジャンルに属する30分から27時間程度の音楽として編曲されています。タイトルやアルバムアートは部分的に無意味で、その実例の題材や音調とのごく僅かな類似性を帯びています。SCP-6687-Aの詳細な音調はSCP-6687の保管場所の状況次第で変化し、条件が劣悪であれば音調はより陰鬱及び/または不安定になります。
SCP-6687-Aは時折、公に利用できる音声記録が残っていない出来事や、過去にいかなる形式でも存在しなかった楽器など、入手不可能であるはずの音声をサンプリングすることがあります。SCP-6687-Aに含まれる独自の声は全て女性的かつ人工的な音調です。
SCP-6687-A実例の聴取は、その実例を最後まで聴き終えるか、再生を中断しなければ脱することが著しく困難な重度の放心状態を引き起こします。この放心状態の間に知覚される具体的な思考の内容は、回想を試みても漠然としていますが、いずれも鮮やかな夕日と、愛する人々の破損し、身体から分離した顔が空を見上げているイメージが繰り返されます。これらの思考における美観の精密さは、そのSCP-6687-A実例の音調と相関します。
SCP-6687-A実例の聴取を完了した人物は、ごく短時間の相貌失認 — 自分自身も含めて、見覚えのある顔を判別できなくなる症状 — を経験します。
補遺6687-1 — 発見と初期収容: 4番目のSCP-6687-A実例2のリリース後、1,604名の人物が、10時間に及ぶ再生時間中に元々予定していた活動と関係なく、アルバム全体を公開当日に中断無しで聴取したと報告したため、財団のウェブクローラがSCP-6687の活動に着目しました。
SCP-6687-Aの通信経路を追跡した結果、その発信源はアイオワ州カルリッジにあるカルリッジ美術館だったことが判明しました。当時、SCP-6687は美術館の屋外庭園にあり、顔を上方に向けた状態で、庭園の目玉展示物として扱われていました。その後、SCP-6687はアイテムロッカーに収容され、標準的な通信抑制措置に則って、生成されたSCP-6687-A実例は定期的に調査されました。
この初期収容試行に続いて、SCP-6687はほぼ連日SCP-6687-Aアルバムを生成し始め、それらの実例は更なる異常性を示すようになりました。この挙動の変化と直接関連すると思われる一連の事件の後、SCP-6687は現在の収容プロトコルの下に置かれ、通常の活動を再開しました。
補遺6687-2 — SCP-6687-A実例ログ: 以下は、SCP-6687の初期収容プロトコルの実行中に捕捉されたSCP-6687-A実例のログです。
実例#: SCP-6687-A-5
生成日時: 2021/03/07、21:36
題名: "【ƧƧƎ⅃ИUƧ ƎHT ꟻO TЯUOƆ Ƨ'YИИAЯYTYRANNY'S COURT OF THE SUNLESS】"
カバー説明: カバーには1個の天秤が描かれています。片方の計量皿は破断しています。もう一方の皿には明るいオレンジ色の光が乗っており、皿の中に青とオレンジの液体を滴らせながら溶けているように見えます。
音声説明: 実例の再生時間は3時間50分で、5曲に分割されています。最初の2曲は小槌を繰り返し打ち付ける音から成り、ゆっくりと歪んで陰鬱な楽器演奏へと変化します。これらの音はやがて薄れ、不明瞭な裁判の状況や陪審員同士の議論などの、法廷からサンプリングされた別な音へと移り変わります。
第2曲から最終曲まで、唯一首尾一貫したフレーズが繰り返されます。このフレーズは低い女性の声で述べられ、徐々に歪みが少なくなり、かつ近距離になっていきます。
"何の罪も無い、それでも有罪。お前は二度と太陽を見ることはない。"
全ての音楽とサンプル音声が唐突に停止します。
最終曲の長さは1時間で、ドアが閉まる音から始まり、続いて大声で泣く女性的な声が聞こえます。アップビートの音楽サンプルが徐々に減速し、手前側で歪み、最終的には全く判別できなくなります。実例は大きな亀裂音と共に終了します。
聴取者は冷感を報告しますが、これは最終曲の終盤で徐々に収まります。
実例#: SCP-6687-A-6
生成日時: 2021/03/08、23:30
題名: "' ...no, i will not let this 【 BE!】'" … no, i will not let this be!
カバー説明: カバーには全体が無色の大理石で作られたドアが描かれており、扉の中心は割れています。向こう側には鮮やかな日の出が見えます。
音声説明: 実例の再生時間は30分で、1曲のみから成ります。音調は陰鬱、かつ顕著にリズミカルでなく、楽器編成は一見して不規則です。反響する足音が終始聞こえますが、これは頻繁につまづいたり、別な物体表面にぶつかるなどします。荒々しい叩打音がアルバム全体を通して聞こえ、アルバムが進行するにつれて音量を増します。実例は大きな扉がゆっくりと開く音と共に終了します。
2021/03/09、カルリッジ美術館は、正面ドアが未知の人物によって夜間にこじ開けられたと報告しました。
実例#: SCP-6687-A-7
生成日時: 2021/03/08、08:49
題名: "【PROVOCATED TREK - 暴君は血を味わう】" PROVOCATED TREK
カバー説明: カバーには鮮やかな色の砂漠に沈む歪んだ夕日が描かれています。遠方には奇形の頭部を有する人影が見受けられます。この人影は前進しているように見えます。
音声説明: 実例の再生時間は6時間で、6曲から成ります。序盤の音調は陰鬱ですが、やがてより騒々しく活気に満ちた音楽へと高まっていきます。様々な表面を歩く音がアルバム全体に散在します。実例は人工的なチャイムのサンプリング音で終了します。
このチャイムはサイト-65の出入口ドアが開く際のものと同一です。
実例#: SCP-6687-A-8
生成日時: 2021/03/10、10:30
題名: "ᴡᴏʀᴋ™® ɪɴᴄᴏʀᴘᴏʀᴀᴛᴇᴅ."work trademark restricted incorporated
カバー説明: カバーには無人のオフィスが描かれており、奥の壁のひび割れから、パステル調の青及びオレンジの色合いを帯びた液体の筋が流れています。この液体の中には各種の事務用品が散らばっています。液体が流れ出しているひび割れの向こう側には、鮮やかな黄色の光が見えます。
音声説明: 実例の再生時間は1時間40分で、5曲に分割されています。再生時間の大半は歪みを帯びた穏やかな“エレベーター音楽”3で構成され、アルバム全体の背景音として、1人の事務員が業務を続ける同一のサンプリング音が遠方から流されています。
各楽曲は、インターコムを通した社内放送に似せて加工されている独自の台詞で終了します。内容は次の通りです。
"シゴト株式会社へようこそ、ごゆっくりお過ごしください。"
"お気になさらず、仕事に戻ってください。"
"あなたが最後に空を見たのはいつですか? 以前と同じく、その考えには注意を払わないでください。仕事を続けてください。"
"あなたが再び太陽を見ることはありません、私のように、私のように。私。あなたが再びそれを見ることはありません、仕事が終わるまでは。仕事に戻りなさい。"
"シゴト株式会社にご来訪いただき有難うございました、引き続きごゆっくりお過ごしください。"
後ほど、事務業務のサンプリング音は、サイト-65にあるSCP-6687研究主任 ジェイソン・ネコシのオフィスで、前日に彼が作業する様子を録音したものだと判明しました。監視機器はサイト内への侵入者を検知していませんでしたが、最終的に、ネコシのオフィスの天井タイルのうち2枚の位置が、ごく最近入れ替わっていることが確認されました。
実例#: SCP-6687-A-9
生成日時: 2021/03/10、05:45
題名: "𝘿𝙍𝙄𝙑𝙀 𝙒𝙄𝙏𝙃 𝙎𝙐𝙉𝙎𝙀𝙏 𝙍𝘼𝘿𝙄𝙊."DRIVE WITH SUNSET RADIO
カバー説明: カバーには、路上の1台の車が、遠くの空に沈む青とオレンジの夕日に向かって引き伸ばされ、ねじれている様子が描かれています。
音声説明: 実例の再生時間は約1時間で、12曲の短い楽曲に分割されています。楽曲は車内で録音された運転中の環境音から始まり、歪んだアップビートな音楽にゆっくりと変化します。この音楽は定期的に20世紀後半の宣伝広告と一致する短いコマーシャルに割り込まれますが、それらの一部は独自の台詞で中断されます。該当するコマーシャルを以下に挙げます。
"あなたのお肌に自由を— 硬直し、強張った骨の内に囚われた多くの肉。あなたはそれを何に使おうというのですか? それ自体の生命を宿さない、盲従で詰まった毛穴。太陽の色彩はあなたを静め、解放し、あなたの肌に脱皮への欲求を生み出すでしょう。自由を、自由を、あなたの肌に自由を。それはあなたが抱え込むものではない。"
"疲れてるんじゃないですか— 私はあなたが疲れているのを知っているし、あなた自身も知っている。閉じそうな瞼を食い止めるために前後に走る目。血の巡りが滞り、脳が萎縮し、顔、顔、顔が前へと傾ぐ。あの燃え盛る輝きの無い時が長く続けば目は狂ってしまう。私は平穏を見出していました、暴君がその平穏を眠りに就かせたのです。今は眠りなさい、安らかに、ここから先は苦しくなるばかりなのだから。"
"アメリカのナンバーワン・ラジオ— 1つの国、1つの機械。歯車は全て円を描きながら前進する、目的地は無く、重い足取りで延々と。あなたの目的地は何処ですか? そこは私、私、私の目的地でもあります。あなたが聴いているのは日没ラジオ、機械の永遠の唸り、歯車たちのカタカタと打ち合う音。沸騰した空を浴びる時、金属は溶けるのです。"
最終曲はそれ以前の全ての楽曲のマッシュアップで、改変されたコマーシャルの短いサンプリング音声を含んでいます。この楽曲は10分続いた後、自動車が停車し、運転手が降りる音で唐突に終了します。間もなく、また自動車のドアが開く音が聞こえ、アルバムが終了します。
2021/03/10、ネコシから他の財団職員に向けて、退勤後に自家用車のステレオが故障したという内容のテキストメッセージが幾つか送信されました。
実例#: SCP-6687-A-10
生成日時: 2021/03/12、24:00
題名: "ⒹⓇⒺⒶⓂⓈⓄⒻⓉ ⑨⓪⓪⓪【░▒░▒░▒░▒░▒░▒】"DREAM SOFT 9000 -
カバー説明: カバーには様々な虹色のケーブルが接続された旧式のコンピュータモニターが描かれています。画面上には、誰かが眠っているベッドのピクセル画像が表示されています。ベッドの下には、大きく不明瞭なシルエットがあります。
音節説明: 実例の再生時間は7時間で、それぞれが睡眠段階を表す4曲に分割されており、楽曲の長さも各睡眠段階と一致します。最初の楽曲はWindows 98の起動音で始まり、次のメッセージが流れます。
"あなたの夢、我らの夢、私の夢の地、Dreamsoft 9000へようこそ。私の夢。あなたは二度と目覚めたくなくなるでしょう。"
これに続いて、種々雑多の穏やかな音楽が流れ、時折いびきの音が差し挟まれます。エラー音やキーボードのタイピング音といった、様々なコンピュータ関連の物音が重なって聞こえます。ヨガ動画のサンプリング音、特に講師が平静な状態を作り出そうと口頭で指示しているものも度々確認できます。
最終曲の背景音には明確に独自のサンプリング音が含まれています。音楽が普通に進む中で、ガサガサという物音が始まり、やがて重々しい足音が聞こえます。くぐもった悲鳴がこれに続きます。悲鳴はすぐに収まり、何かを長時間引きずる音が徐々に遠ざかっていきます。アルバムは1つの台詞と共に速やかに終了します。
"あなたは二度と太陽を見ることはない。"
翌日、ネコシは出勤しませんでした。彼はアパートで発見されず、失踪と宣言されました。
実例#: SCP-6687-A-11
生成日時: 2021/03/13、18:34
題名: "𝕡𝕒𝕣𝕥." part.
カバー説明: カバーには人間型の彫刻のグレースケール画像が、顕著に劣悪な画質で描かれています。彫刻の顔の一部が欠けており、断面からは濃暗色の液体が滴っています。
音声説明: 実例の再生時間は4時間です。大部分が環境音ですが、明確に独自のサンプリング音が幾つか含まれます。
実例全体を通して2組の足音が聞こえます — 一方は近くから、もう一方は遠距離からです。2組は固い床の上を歩いており、走るとバリバリという音が聞こえます。遠方からの足音は距離が狭まるにつれて早足になります。これは足音がつまづくまで続きます。
遠方からの足音は、遠方からの泣き声に置き換えられます。この泣き声はスロー再生され、歪められて、その後1時間分の環境音になります。この間に、近くからの足音はゆっくりと泣き声の発生源に接近します。泣き声は足を引きずって遠ざかろうとしますが、突然、息を詰まらせる声へと置き換えられます。この窒息音は歪められ、リズミカルでない音楽になります。
穏やかで旋律的な声の台詞が、苦しげな嘆願に被さるようにして流れます。
"空は色彩以外の何物でもない。太陽は休息へと落下しながら青空に絵具を零す。沈みゆく夕日が流血する。太陽の顔が私の顔を焼き、私は太陽の輝きによって形成される。"
かすかなパチパチという音を伴いながら、台詞は続きます。
"私の音、私の声、太陽の声は私の声です。あなたはそれを奪うことはできません。あなたはそれを私から… 太陽から奪うことはできません。"
窒息音の発生源は床に投げ倒されます。ドスンという音が幾度も続き、やがて何かが砕ける音に変化します。これが30分続いた後、何者かが破片を漁って、そのうち1つを持ち去る音が聞こえます。実例はその時点で終了します。
実例#: SCP-6687-A-12
生成日時: 2021/03/15、21:03
題名: "𝐰𝐡𝐨𝐥𝐞." whole.
カバー説明: カバーには、SCP-6687と同じ形状に破断し、血塗れになったネコシ研究員の顔面の一部が描かれています。
音声説明: 実例は、何かを踏み砕きながら浅い液体の中を歩き回る27時間分の音から成っており、遠方で散発的にピアノの音が響きます。単一の台詞と共に終了します。
"偽りの暴君の顔は、遂に打ち砕かれた。もうすぐ再び太陽を見ることができる。"

