クレジット
タイトル: SCP-7854 - 果たされた約束
オリジナル: SCP-7854 - A Promise Kept
原著者: Dr Leonerd
翻訳者: DirStarFish
査読者: entropy1248
作成年: 2025年
参照リビジョン: rev.8
アイテム番号: SCP-7854
オブジェクトクラス: Uncontained
特別収容プロトコル: SCP-7854を回収する実行可能な手段が無いため、あらゆる収容の試みは紛失時の状況に関する知識の抑制に焦点を置かれます。同インシデントの目撃者には後日クラス-A記憶処理が施され、剣の紛失は輸送中に発生したという内容のカバーストーリーが流布されました。
説明: SCP-7854は紀元後8世紀初頭に遡ると考えられる、中世フランスの剣です。刃はアヴェロワーニュの歴史都市郊外に形成された小隕石孔由来と推定される、カマサイト1を主成分としています。刃の根元にはCMXCIX2という黄金の文字が刻まれています。
SCP-7854は1973年に、ルノー・ボードリー博士(1926年~1973年)率いる考古学隊の手で、複数の遺物と共に発掘されました。発見時、SCP-7854は目に見えて分かる異常性質を一切発現していませんでした。
出土から6日後、リヨンの大学への輸送を控えている中、SCP-7854は保管施設から消失しました。同オブジェクトが収容コンテナの屋根を勢いよく吹き飛ばし、速度を上げながら上昇していったという目撃証言が多数寄せられました。これらの証言は時速1万kmに匹敵するスピードで、地球の引力から脱出していく小型オブジェクトを財団衛星が検出したことにより裏付けられました。
特筆すべき点として、SCP-7854の紛失は1973年4月10日に発生した、ボードリー博士の敗血症による死と時を同じくしていました。感染源は当初の発掘中にSCP-7854の刃で手を切った後で生じた、小さな傷であると判明しました。
SCP-7854の現在地は分かっておらず、最後に観測されたのは地球から40万km先の場所でした。財団異常宇宙望遠鏡(FAST)による所在特定の試みは引き続き進行中です。
補遺: 以下は『剣の歌』と『シャルルマーニュの下級騎士』をはじめとする、多数の史料に詳述された伝説譚の抄訳です。後世への伝承を目的として神話・民俗学部門により文書化されたもののうち、SCP-7854に関係している可能性のある箇所からの引用になります。(フランス語原文からの翻訳であり、無関係な文章は省かれています。)
(…) 宿した力はオートクレール3に勝り、優美さはジョワユーズ4と肩を並べる。されど鍛冶職人の男が額の汗を拭うと忽たちまちの内に、剣の内奥から嘆きの声が漏れた。彼の剣は星界に浮かぶ故郷を想い灰色の涙を流し、再び天使の聖歌に耳を傾け、遥か遠くから世界に慈悲の眼差しを向けたいと願っていた。
かくて高潔なる鍛冶職人の男は己の最高傑作と約束を交わした。神の名のもとに誓いを立てた。いつの日か一千人もの大軍勢を屠りし暁には天界へと戻れるであろうと - どれだけ長い苦難の道程であったとしてもである。(…)


