SCP-CN-2159
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評価: +4+–x

RMS_Titanic_3.jpg

出航前のSCP-CN-2159、1912年4月10日に撮影。

アイテム番号: SCP-CN-2159

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: 詳細はジェームズ・キャメロン管理官が制定したCN-2159標準カバープロトコルを参照してください。

説明: SCP-CN-2159は1912年2月から同年4月までイギリス海軍で就役していた深海潜水艦“タイタン”号です。長さは約270m、潜航深度は最大で3kmです。その姉妹艦1と同様に、SCP-CN-2159の船体表面には軍用標準の抗圧型ミミック級ミーム触媒が設置されているため、肉眼及び映像機器による観測では同時代の客船と似た外見で映ります。建造完了後、SCP-CN-2159の深海環境での活動能力と安全性をテストするために2ヶ月間の試験航行が行われました。問題がないことが確認されると、SCP-CN-2159は4月に正体を民間用客船タイタニック号と偽ってサウサンプトンを発ち、一度目の出航が始まりました。

SCP-CN-2159-1はSCP-CN-2159の最初の出航中に機密座標から回収された異常物品であり、具体的な情報は判明していません。SCP-CN-2159-1を積載して数時間後、SCP-CN-2159は北大西洋海域で敵襲に遭い自力浮上能力を喪失、水深4km以深の位置で停滞、その後ロストしました。深海環境で艦を放棄して脱出することは困難であるため、艦内の全員が殉職したと推測されます。

SCP-CN-2159のロスト後、軍が極秘に大型潜水艦を建造した事実を隠蔽するために、イギリス政府は約710名のエージェントを派遣してカルパシア号に搭乗させ、海難事故の生存者に偽装しました。この作戦は人類史で初めて大量の人力を動員して実行されたヴェール維持活動だと考えられます。

補遺1: 建造

Samuel_Liddell_MacGregor_Mathers_in_Egyptian_getup.jpg

管理者ウェストコットの[編集済]に呪文をかけているサミュエル・メイザーズ。

同時代の他の異常艦艇と同様に、SCP-CN-2159の製造には様々な軍及び民間組織が関与しています。その中で、ホワイト・スター・ライン社が引き継いだ骨格構造の他に、フランスの奇跡研究団体アルファ・エト・オメガ2による船体への祝福もSCP-CN-2159の最終形状に深い影響を与えました。前述した組織に含まれる黄金の夜明け団の各派生団体がSCP財団の成立初期に関与し、且つ研究日誌と文書記録を残していたことから、SCP-CN-2159関連資料の記述は速やかに財団へ送られ、冷戦時代の反ミーム攻撃から保護されました。

SCP-CN-2159沈没のニュースが一般大衆へ公表されたのち、SCP-CN-2159に関する更なる情報を入手するために、成立直後だった当時の財団はサミュエル・メイザーズに対する臨時インタビューを企画しました。インタビュー後、メイザーズは「軍事機密に関わる重大な秘密」を理由に、奇跡術を用いてインタビュー記録の内容の大半を永久的に抹消しました。

対象: サミュエル・メイザーズ

インタビュアー: 管理者ウェストコット

<記録開始>

管理者ウェストコット: 何故イギリスの造船を手伝おうとお考えに?

メイザーズ: ああ、それは政治的理由が複雑に絡んでいる。ご存知か?近頃はドイツ人とアメリカ人の関係が良好で、フランス人も陰でこそこそ小細工を働いていて、イギリス人は南極探索競争に敗れ、更には中国じゃ革命が勃発して、そして……

管理者ウェストコット: メイザーズ。

メイザーズ: おや?

管理者ウェストコット: 正直に言うように。あと言っておくが、あなたが財団加入に反対している人は少なくないのだよ。

メイザーズ: 申請ならとっくに却下されていたと、私だって思ってたさ。

管理者ウェストコット: そんなわけないが、官僚主義の横槍が入って返答を書く時間がしばらくとれないことくらい知ってるだろう。あなたの態度次第では、1918年までに全ての手続きを終えて差し上げよう。

(サミュエル・メイザーズがため息をつく)

メイザーズ: クロウリーと賭けをした。

管理者ウェストコット: 賭け?

メイザーズ: クロウリーがアメリカの潜水艦造りを手伝って、私のところに来て見せびらかした。で、あいつのより大きく、より深く潜れる潜水艦を私が造れるかで賭けた。当然私の勝ちだ。私のタイタンは海の底で今も静かに待っているさ。

管理者ウェストコット: 浮上の問題は考慮したのか?

メイザーズ: 第一に、考慮済みだ。船室全体を覆えるだけの酸素循環魔法陣を描き上げるのにどれほど苦労したことか!あの船が今戻ってこないのはブリテン連中に私の船を操縦できるだけの脳みそがなかったからだ。それに「ピック」だの「ニック」だの下らぬ名前の加護など不要だと、ミセス・ブラウンが貸してくださった「永遠に沈まない」の名だけで十分だとあいつらには既に言ってある。第二に、それは重要なことじゃない。私の船はどこまででも潜れる、これだけで十分だ。3キロメートルだぞ、クロウリーの船はどこまで潜れるんだ?どうやって勝つんだ?船を月に送り込むのか?

管理者ウェストコット: 彼らの食糧備蓄はどのくらい保つ?

メイザーズ: さあな、知ったことじゃない。イギリス料理じゃあ長くはもたないだろう。

<記録終了>

補遺2: 出航

SCP-CN-2159が任務中に突如方向転換した理由、艦内の人員がSCP-CN-2159-1の所在位置を把握した方法については現在も不明です。軍の記録ではSCP-CN-2159-1に関する内容は完全に封印されており、冷戦時代の反ミーム攻撃により消失しました。関連した現存する記述は乗艦していた従軍奇跡術師キャルドン・ホックリーが残した日記のみです。3

5時間連続で航行している。窓なし。浮上なし。

ドーソンは何を探しているのか教えようとしない。こっちだって口を利いてやるものか。この船の設計図が目の前に並べられたあのときから、この船が何を目的に海に出ているのかは知っている。驚いたのはあれを発見するまでの速さ、そして予想よりもずっと深くにあれがあったことくらいだ。

今、何もかもに納得がいった。あれの鼓動はこの暗闇越しに私の耳に届いた。あれは大西洋の拍動。欲望の底が抜けた英国強盗はその心を奪おうとしている。

補遺3: 遭難

4月14日深夜、SCP-CN-2159は帰航途中でドイツ駆逐艦“エースブルク”号4を発見、続けて交戦しました。以下は敵艦発見からSCP-CN-2159の動力喪失までの2時間に起きた出来事です。

23時40分: 艦長ロス・ドーソンは所在海域内でのエースブルク号と思われる敵対目標5の発見を軍に連絡する。

23時55分: 両者ともに互いの射程範囲内に達する。SCP-CN-2159はエースブルク号搭載の対潜哨戒機から投下された魚雷を浴び、左側に軽微な損傷を被る。

翌日0時0分: SCP-CN-2159が一発目の魚雷を発射、魚雷は敵艦に命中する。

0時5分: SCP-CN-2159は二発目の魚雷を発射する。故障により魚雷は向きが逸れ、SCP-CN-2159の魚雷発射口に命中する。SCP-CN-2159は深刻なダメージを受け、緊急潜航を行う。

1時30分: 艦内で反乱が発生する。船員の半数が貯蔵室への進攻を開始し、SCP-CN-2159-1の奪取及びドイツ軍船舶への投降を試みる。以下は船舶内部の監視システムから得られた音声記録の一部である。

(雑多な足音と銃声)

ドーソン艦長: 君たちの目的は何だ?

(雑音が消える)

ドーソン艦長: 我々の目的は任務の遂行だ。君たちの目的は何だ?

ホックリー: 艦長、ドイツ人は既に一撃浴びせてきました。このままでは我々は死へ一直線です。彼らの望むものを、何だってくれてやりましょう。

ドーソン艦長: キャルドン、君の方が魔法に詳しいのだろう。もしこの大海の心臓をドイツ人が掌握したなら何ができるか分かってるな。

ホックリー: 死ぬのは怖くありません。実をいうと、1人で逃げる方法があります。あなたたちを助けているのですよ。海底で飢え死にすることが光栄だとお考えですか?

ドーソン艦長: 覚悟なら最初から済ませている。

(物音)

ドーソン艦長: これが君の“方法”なんだな?

ホックリー: あなたはどうやって……

ドーソン艦長: この穴を越えると何処に飛ばされるんだ?ロンドンか?それともパリか?何人も通れるものじゃないだろう。体系的に魔法を習ったわけではないが、バックラッシュくらいの常識は一応知ってる。これでは1人送るのがやっとだ。

ホックリー: どうするつもりですか?

ドーソン艦長: 君が行け、それとも私が行くのか?

1時40分: キャルドン・ホックリーがロンドン郊外に出現する。

2時15分: SCP-CN-2159が水深3kmに到達し、動力システムが停止する。SCP-CN-2159がロストする。

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