クレジット
翻訳責任者: nemo_0311
翻訳年: 2024
著作権者: ANYZK
原題: 二重奏
作成年: 2022
初訳時参照リビジョン: 3
元記事リンク: https://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-2319
アイテム番号: SCP-CN-2319
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-CN-2319はエリアCN-18内の標準物品収容室に安置されています。収容室内には24時間稼働する音声記録機能付の監視カメラが設置されており、空気の循環を確保し、湿度を調整するための換気装置が使用されています。収容室に入る如何なる職員も担当責任者であるH.six氏の承認を得る必要があります。
説明: SCP-CN-2319は一般的な外見を持つ1台の黒いアップライトピアノです。
SCP-CN-2319の異常性は1名の使用者のみがSCP-CN-2319を使用して演奏を始めた場合に出現します。この時、SCP-CN-2319は演奏された楽曲に合わせた和音、或いは即興で作られた旋律を奏でます。この現象ではSCP-CN-2319内部のハンマーが自発的に弦を叩き、スプリングによる牽引を必要とせずに元の位置に戻ることが確認されており、この性質についてSCP-CN-2319は演奏している最中に自らの構造上の制限を受けません。1
伝統的なデュエット曲を除いて、SCP-CN-2319の演奏する旋律にはある程度の任意性がありますが、演奏内容との適合度は演奏者の演奏能力と正の相関関係があると考えられています。また、両者がうまく連携している場合、演奏者は常により長く演奏する傾向があります。
SCP-CN-2319と演奏者が共に演奏している時間が20分以上に達したとき、両者を中心とした18㎥範囲内のヒューム値は徐々に低下し、演奏者に以下のような変化が現れます:
- 体表組織が木化して木目が現れ、黒色の高光沢塗料の層で覆われる。
- 両手が外側に象牙質を形成し始め、最終的には象牙の素材、光沢を呈するが、これは演奏者の正常な演奏に影響を及ぼさない。
- 全身の骨格形状が垂直化と扁平化(特に肋骨と各所の長骨が最も顕著)、同時に圧迫を避けるために各地の臓器が自発的に移動する。2
- 血管及び神経が金属化し、高張力鋼線や銅線へと変化するが、全ての身体機能は正常な状態を維持する。
- 演奏者の全身が木材、象牙及び金属素材へと変化し、体表は完全に漆に包まれ、最終的にはSCP-CN-2319と融合し、融合体となる。この時、融合体の周囲のヒューム値は大幅に低下し、通常の手段でこの範囲に入ることは不可能となる。その後、融合体内部では三分以上の特定の楽曲が演奏される。3
毎度の演奏の後、演奏者の身体上に発生したすべての異常は一分以内に完全に消滅し、周囲のヒューム値は正常レベルまで回復します。その後、SCP-CN-2319の異常性は次回の演奏まで発現することはありません。
これまでに最後の異常はエリアCN-18の従業員 マーティン・グレイ氏の演奏でのみ記録されています。演奏後、氏はSCP-CN-2319の異常性について、「全ての感覚を失い、美しい旋律だけを感じていた」と述べましたが、その旋律の内容について尋ねられたところ正確には思い出せないと主張しました。その後、SCP-CN-2319はその場で再検査され、底部に次の言葉が刻まれていることが発見されました。
「ですから、これがあなたが求めたものでしょうか?」
「いえ、私はこれが賢明な選択だとは思いません。私はもう十分過ぎるほど言ったでしょう、このような儀式は総じて元に戻すことは出来ない、と。一度始めてしまえばあなたの辿る結末は他のピアノと同じ。段々と老朽化し、古びて最後には何処か薄暗い隅に投げ込まれるかーー或いは薪として燃やされてしまうか。」
「いえ、彼女が目を醒ますとは思えません。あなたの夢は確かに美しいように思えます。一人の少女が終わりのない眠りから醒めた後、あなたが彼女と共に彼女のために作った曲を演奏するーー彼女が最も好むピアノで。そして彼女と一つになる。
しかし正直、あなたが彼女について教えてくださった状況から私は現代医学がこれを成し遂げることが出来るとは全く思えません。」「いえ、私もあなたを永遠に生かすことはできません。それは私の能力の範囲外です。勿論、私はあなたに適切な場所を与えることが出来ます。あなたはそこで彼女が目覚める日まで丁寧に保管されるでしょうーーその日は永遠に訪れないかもしれませんが。
「いえ、私はあなたを止めません……しかし、この全ては無駄になる運命にあるのかもしれない。」
——G.S.ノペクト
同時にSCP-CN-2319は自発的に演奏を開始しました。以下がその旋律です:
#5· #5·· ♮5·· ♭1· | ♭6·#1· ♭3·|♭3· |#4· #6·#5· ♭3· | ♮6· ♮5· ♭1· ♮5· ||
不必要な損壊を避けるためSCP-CN-2319との更なる相互作用を調べることは一時的に禁止されました。


