クレジット
タイトル: SCP-CN-2587 - 海の上、孤独な船の渡し守
翻訳責任者: OtyanoTya
翻訳年: 2026
著作権者: Agent Phage
原題: SCP-CN-2587 - 海上孤舟摆渡人
作成年: 2024
初訳時参照リビジョン: 6
元記事リンク: https://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-2587
アイテム番号: SCP-CN-2587
オブジェクトクラス: Archon
特別収容プロトコル: SCP-CN-2587の現在位置および航行状況を監視するため、無人機を常時旋回させて下さい。無人機は6時間周期で巡回し、24時間連続的な監視体制を維持してください。加えて、財団の偵察衛星による補助監視を実施します。監視任務はエリア-CN-17が担当し、全ての偵察記録は同サイトへ集約されます。
SCP-CN-2587が一般社会へ露出することを防止してください。特に、他の船舶との遭遇および目撃を防ぐ必要があります。財団は関係海事組織を装い、遭遇の可能性がある船舶へ事前に進路変更または迂回を通知します。遭遇が避けられない場合、関係する民間船員に対して記憶処理を行ってください。なお、SCP-CN-2587の外見的特徴上、岸辺から目撃した一般人に対して過度な処理を行う必要はありません。
上記を除き、SCP-CN-2587に対して追加の収容措置は行いません。SCP-CN-2587には海上での自由航行が許可されています。
SCP-CN-2587
説明: SCP-CN-2587は木製の小舟です。船は全長約5mで、河川や水路で一般的に見られる渡し船に類似しています。船上に存在する人型実体は、航行中に船尾の竿を押して進行しており、通常は陸地へ向かう航行中には、もう1人の人型実体の乗客の姿が確認されます。
SCP-CN-2587の船は小型であり、操船する人型実体を除けば、乗船可能なのは1名のみです。SCP-CN-2587自体は実体を持ちますが、乗客はエクトプラズム状非実体の特徴を有します。人型実体の証言によれば、SCP-CN-2587の航行目的は、海難事故で死亡した人物の魂を運び、故郷の方向へ送り届けることにあります。
SCP-CN-2587は主に世界各地の海洋上に出現し、以下の行動パターンを示します。
- 海難事故の発生地点へ向かう。
- 海難発生地点で停止する。
- 犠牲者の出生地の方向へ、直線的に航行して陸地へ到達する。
SCP-CN-2587が陸地へ到達すると、一定時間停止します。SCP-CN-2587からの説明によるとこれは、乗船していた魂が下船するためです。船は陸へ上がれないため、送り届けられるのは岸辺までとなります。その後、SCP-CN-2587は元の地点、あるいは次の海難発生地点へ向けて再び航行を開始します。
SCP-CN-2587の航行速度は、通常の河川用渡し船と同程度であり、時速5〜10kmに過ぎません。また、同規模の船舶が外洋航行可能であるとは考えられません。しかしながら、SCP-CN-2587は海上の風浪の影響を受けず、波浪に追従して移動しながらも転覆しません。さらに、船竿が海底へ届いていない状況でも航行を維持しており、その実際の動力源は確認されていません。
航行速度の遅さや、海難地点が沿岸から遠いことなど複数の要因により、SCP-CN-2587が1回の航行を完了するまでには通常1〜2年を要します。
補遺1: インタビュー記録
SCP-CN-2587上の人型実体は比較的寡黙であり、多くの場合、財団職員による接触や会話へ応答しないか、簡潔な返答のみを行います。現在までに、成功したインタビューは1例のみです。当該実体は流暢な会話が可能であり、その声は50〜60代の成人男性に類似しています。また、財団に対して敵対的態度は示していません。
インタビューにおける証言によれば、海難事故の犠牲者の魂は、事故死・故郷から遠く離れていること・漂流する不安定な環境に置かれていることなどを理由として、極めて安息しづらい状態にあるとのことです。もし海上を漂わせたまま放置すれば、魂は消えることのない怨霊となってしまい、それはあまりにも残酷で非人道的であるため、自ら魂を送り届ける役目を担ったと述べています。たとえ岸辺までしか送れなかったとしても、魂が陸地へ触れることで、多くの犠牲者は安らかに去ることができるとされています。
実体は、SCP-CN-2587が1度に運べる魂が1人のみであり、加えて航行速度が遅く、1回の航行期間も長いため、多数の死者を出した海難事故では、全員の輸送完了まで数年から数十年を要すると述べています。現在、SCP-CN-2587は560年以上も魂の輸送を続けていると考えられています。
SCP-CN-2587には1枚の木板が取り付けられており、そこには粗雑ながら深く刻み込まれた文字で、以下の文章が彫られています。
大海を渡り、我が懐かしき故郷を待つ。
——「彼岸」
補遺2: 事件記録
2024年2月██日、██████海域にて船舶転覆事故が発生し、乗員57名が死亡しました。当時、近海に存在していたSCP-CN-2587はこの事故を感知し、6か月後に事故海域へ到達、犠牲者の魂の輸送を開始しました。
期間中、SCPS海霊号が付近で任務を実行しており、SCP-CN-2587の監視任務も兼任するよう命令されていました。SCPS海霊号には試験型陽子ビーム砲およびエクトプラズム誘導チャンバーが搭載されていたため、船長は関連するエクトプラズム状非実体を捕獲し、SCP-CN-2587に同行して輸送を完了する実験申請を提出しました。申請は承認され、その後、SCPS海霊号は残る56体のエクトプラズム状非実体を運搬しながら、SCP-CN-2587と共に海岸へ到達しました。
その後、SCP-CN-2587はSCPS海霊号へ感謝を示し、船の譲渡・購入について相談を持ち掛けました。


