奇談逸事: 《あなただけが見ることの出来るネズミ》


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あなたはネズミを見ました。


一匹のネズミ——否、それが本当に一匹のネズミだったのか確信は持てませんでした。恐らく、この場所で見かけた第923番目の奇談逸事なのでしょう。ノートを開き、あなたはネズミに関する一切の物事を記録し始めます。同時に、他の言語で記録された物語と区別するため、冒頭に「ZH」というコードを慎重に付け加えます。ZH-923、これぞまさに、繁体中国語エリアで見かけた第九百二十三番目の奇談逸事なのです。

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一匹のネズミ、下水道に住んでいるネズミ。ここにはネズミ一匹しかいないからには、きっとこのネズミこそがここの王様なのでしょう?あなたはそう思い、ネズミのイラストに王冠を描き加えます。

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厳密にいえば、このネズミは決して下水道には住んでいません。あなたは周囲を見渡し、様子を完全に説明しようと試みます。しばらく考えた末に、あなたは「言葉と意識」という儚くて捉えどころのない比喩を用いてネズミを形容することにします。これは実にでたらめなことです。例えばあなたのように実体のある存在が、このような実体のない場所に住んでいるはずはないでしょう?それでもやはり、あなたは一匹のネズミを見たのです。ネズミであっても神秘的な生き物なのです。

このネズミの種類の特定に時間がかかったのは、その見た目が全く「ネズミ」らしからぬモノであったからです。五芒星型の体の中心には大きな目が一つ、背中にはピンク色のネズミの尻尾が一本、まるで子供の描いた絵のように。

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ネズミはあなたを見つめ、未だに視線を逸らしません。

あなたが最初にネズミと出会った場所は、廃墟となった村でした。村にはとてもたくさんネズミがいましたが、そうは言ってもネズミはたった一匹しかいませんでした。ネズミはいつもあなたのことを見つめていて、何か間違いがあればすぐ不機嫌になります。ネズミが不機嫌になったらどんなことが起こるのか?失敗ばかりしている友達だけが知っています。しかし、ネズミは優しい心の持ち主のようです。あなたが一回だけ間違えれば、ネズミを見るだけで済みます。二回間違えれば、ネズミはあなたに近寄ってきます。そして三回間違えたら……まあ、あなたは二回しか間違いを犯していないので、どうなるのかは分かりませんね。

実を言うと、あなたは最初、ネズミのことが見えなかったのですが、あなたと友達の強い好奇心のおかげで、ついにネズミは姿を現し、あなたたちに挨拶をしてくれました。あなたと一緒にここを探索する友達は、より科学的な手法でこのネズミについて記録しようと試みますが、しかし明らかなことに、ネズミはこのような手法で記録出来るような生き物ではありません。別の一人の友達はネズミを捕まえてペットにしようと、食べ物を用いて誘い出そうとしましたが、ネズミは決して有難く受け取ろうとしません。友達の試みが失敗に終わった後、ネズミの数は増加し、最終的に一匹だけになりました。このネズミは慣習に縛られることを嫌い、他の個体を呼び集める強い能力を持っています。また、友達の一人は至る所にいるネズミに怯えてしまい、最終的に療養所に入ることになってしまいました。本当にお気の毒に。

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鼠害があまりに酷かったために、地域全体が一度くまなく消毒されました。あなたと友達のリソースは消毒のために費やされ、さらに近隣の村々には、我々は村を丸ごと焼き払うつもりはないのだと説明せねばなりませんでした。ああ、何があっても二度とあんなことはしたくない。ついにネズミの数は一匹から一匹へと変わり、あなたはこの地域のネズミ駆除専門員に任命されました。

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今は、あなただけがネズミを見ることが出来るのです。

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